新型コロナウイルス(COVID-19)に関する2021年9月のベトナムの状況
2023年5月15日更新
目次
この記事では、2021年9月末のホーチミンにおける新型コロナウイルスの状況についてご紹介していきます。
なお、こちらは2021年9月29日時点での情報となります。状況は変わっていくことが予想されますので、随時最新のニュースをチェックするようお願いします。
新型コロナウイルス・9月までのベトナムの感染者数
9月29日までのベトナムの感染者数は約77.6万人、死者は約1.8万人となっています。
2021年8月29日午前の発表時点で、ベトナム国内の新型コロナ累計感染者数は43万5132人、死者数は1万0749人でした。
6月30日午前の発表時点で感染者数は1万6506人、7月30日午前の発表時点で、感染者数は13万3405人でした。
7月、8月は毎日数千人単位の感染者が出ており、8月23日からは、買い物すら原則禁止の厳しい社会隔離政策が行われていたにも関わらず、感染者数の高止まりがしばらく続きました。
しかし、9月26日の記者会見でホーチミン市保健局長は「ホーチミン市はパンデミックのピークに達した」と話しており、10月からは社会隔離政策の緩和も検討されています。
以下では、ホーチミンのコロナ第1・2・3波と、4月27日以降の第4波と呼ばれる感染拡大について、概況をお伝えしていきます。
新型コロナウイルス・ベトナムの第1・2・3波の動向
2020年には、ベトナムは早い段階からかなり厳しいコロナ対策がとったため、世界でも有数のコロナ封じ込めに成功している国として称賛されました。
2020年の2月のテト(旧正月)明けあたり始まった第一波では、各種イベントの中止、感染が疑われている人の隔離、学校の休校、外国人への厳しい入国制限などが行われました。世界各国で感染が広がる中で感染を抑え込み、4月から市中感染がない状態が99日続きました。
しかし2020年7月、ベトナム中部の都市ダナンから「第2波」と呼ばれた動きが発生、市中感染が再発しました。しかしこの動きも比較的すぐ落ち着き、市中感染が無い状態が89日続きました。
さらに、11月末、ホーチミンでの久々の市中感染が出ましたがこれも封じ込めに成功し、再び市中感染が無い状態が56日間続きました。
市中感染がしばらくなかったベトナムですが、今年1月末にハイズオン省とクアンニン省での集団感染が確認され、社会的隔離措置がはじまりました。この動きは、ホーチミンを含む他の省にも広がり、新規感染者が2月1日時点で計238人となりました(第3波)。
2月には、発生源となったハイズオン省で16日午前0時から最も厳しい社会的隔離措置が適用され、ハノイでは同じく16日午前0時より、市内の路上の飲食店やカフェの一時営業停止という措置がとられました。
こうした対策の結果、市中感染はおさまり、ホーチミンでは3月1日から教育機関が再開されるようになりました。そして、3月2日の発表では、1月27日以来1か月ぶりとなる市中感染者ゼロを達成しました。
4月26日午前の時点でベトナム国内累計感染者数は2846人、死者数は35人で、市中感染は3月25日以降発表されていない状況でした。
新型コロナウイルス・ベトナムの「第4波」の動向(4~8月)
4月27日ごろから、「第4波」と呼ばれる市中感染が起こり、複数ルートでの感染が広がっていきました。
これに際し、ホーチミン市は
・4月30日午後6時から、カラオケやバー、ディスコ等の営業を一時停止
・5月3日から、マッサージ、サウナ、劇場、映画館、ゲームセンターなどが営業停止
・5月7日から、ジム、ビリヤードなどのスポーツ施設、結婚式場、ビュッフェスタイルの飲食店、カラオケの営業停止、公共の場に30人以上が集合することを禁止
・5月10日から学校がオンライン授業に切り替え
・5月11日から検問の設置、検問や駅などでの健康申告の義務化、レストランの席数の制限
・5月28日から、全ての飲食店で飲食禁止(テイクアウト、デリバリーのみ)、スパ、美容関連施設(床屋、美容室、ネイルサロンなど)、美容クリニック、公園も営業停止
などの対策が取られました。
更に、5月31日午前0時から、ホーチミン市内全域で、生活必需品以外の店の営業停止などの社会隔離政策が始まりました。
更に6月20日からは追加の措置で
・公共交通機関の運行の一時停止(市内のタクシー、配車アプリによるチャーター車(自動車)、路線バス、省・市をまたぐ長距離バス)
・職場や学校、病院以外の公共の場に4人以上の集合禁止
・路上市場の営業の一時停止(伝統的な市場は対象外)
などの政策がとられました。
7月9日から、ホーチミンでは、首相指示第16号に基づく本格的な社会隔離措置を実施することとなりました。
これは、
・外出の最大限の制限(真に必要な場合(食料、食品、薬品の購入等)のみ外出できる)。警官が見回り、不要な外出は罰金
・エッセンシャルワーカー等は検問で外出許可証提示
・必要不可欠な商品販売・サービス提供に該当する場合のみ営業可能
・交通機関の停止(バイクタクシーも営業停止)
・レストランの営業停止(デリバリー、テイクアウトも停止)
という内容です。
さらに、7月26日以降は強化策が取られはじめました。
・毎日18時から翌朝6時まで、緊急時や救急以外は実質外出禁止
・区・郡をまたいでの宅配サービスが原則禁止
・買い物券の発行(地区により差があり)。買い物を週2~3回に制限
しかし、ホーチミンでの感染者は4000人~5000人台で高止まる状況でした。
なかなか解決の糸口が見えない状況の中、8月は更に厳しい対策が取られることとなりました。
8月15日、すでに適用されている首相指示第16号/CT-TTgとさらに厳しい措置(いわゆる首相指示第16号+)を、9月15日まで1か月間延長することが決定しました。
ただし、
・スーパー、コンビニなどの従業員は18時以降も働いて良い
・生活必需品の区をまたいでのデリバリーが認められる
など若干規制が緩まった箇所もありました。
そして、23日からは、さらに厳しい外出制限がはじまり、買い物目的の外出も禁止となりました。
食料などの生活必需品は、軍隊やボランティアによる買い物代行となりました。
こちらは、地域により運用が異なり、無料で食料セットがもらえる地域、スーパーと直接やりとりして注文できる地域、近所なら直接スーパーに行っていい地域など、ばらつきがありました。
新型コロナウイルス・ベトナムの「第4波」の動向(9月)
9月になっても感染者数は高止まっていましたが、ワクチン接種が進んだこともあり、徐々に政策は緩和されていきます。
まず、9月9日、飲食店の午前6時〜午後6時までのデリバリーが許可されました。ただし、飲食店の従業員は最低1回のワクチン接種を終えていなければならず、2日ごとに新型コロナウイルスの検査を行う必要があります。また、勤務、睡眠・休息、食事を同じ場所で行う場合のみ許可されています。
また、郵便や通信サービス、コンピューター、電気製品、文房具などを販売する店舗も午前6時〜午後6時までの間営業が許可されました。
9月中頃は開店する飲食店も少なく、また、配達員もとても少なかったため、実際にデリバリーをオーダーするのはかなり不便でした。
しかし、徐々に配達員も増え、19日時点では、約8万2000人の配達員が活動を再開し、17日頃と比較すると3倍に増加してきました。配達員は検査施設で2日に1回新型コロナウイルスの検査を受けなければならない決まりです。
9月26日の記者会見でホーチミン市保健局長は「ホーチミン市はパンデミックのピークに達した」と話しており、10月からは社会隔離政策の緩和も検討されています。
事業、活動を再開するためには、従業員全員が必要回数のワクチン接種を終えている、または6ヶ月以内に新型コロナウイルス感染から回復しており、「グリーンカード」を所持していることが条件となる予定ですが、詳細はまだ発表されていません。
・参加者全員がグリーンカードを所持していれば、屋内外で最大50人の集まれる
・飲食店(テイクアウトのみ)
・理容室・美容室(定員の50%で営業)
などのプランが考えられています。
まとめ
以上、新型コロナウイルスに関するベトナムの2021年9月の動向をお伝えしました。今後も状況は変わっていくことが予想されますので、常に最新のニュースをチェックするようお願いします。
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