ベトナム最大の観光名称、「統一会堂」を歩く

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2023年5月16日更新

今回ご紹介するのは、ベトナム旅行に来たら、必ず訪れてほしい観光名所、「統一会堂」です。統一会堂を紹介していない旅行ガイドブックは絶対ありません。どこの雑誌もトップで大々的に紹介しているほど。

しかし、統一会堂には知っておいてほしい歴史があります。ツアーで行けば現地係員による説明で理解することができますが、個人旅行者は事前に知っておかなければ、「なんにもない会議室」にしか映りません。そこで、今回はこれだけは知っておいてほしい最低限の情報をご紹介したいと思います。

場所はホーチミン市内中心

統一会堂の場所はホーチミン市内1区の中心。聖母マリア教会から4月30日公園を横切った先に建っています。道はナムキーコイキア通り。ずっと北上するとタンソンニャット空港に続く長い目抜き通りです。市民劇場やベンタイン市場からも近く、どちらも徒歩10分圏内です。

サイゴンとホーチミンの関係

ご存知の方もいるかもしれませんが、ベトナムはもともと南北分断国家でした。ベトナム戦争以前、南部エリアは「ベトナム共和国」という国家が築かれており、その首都がサイゴン(現:ホーチミン)だったのです。当時はフランスの統治下だったことから、フランス人による西洋風の町づくりもこの時期にされました。そして、今回紹介する統一会堂は、サイゴンの時代は大統領官邸だったのです。

そして、ベトナム戦争に突入し、激戦の末、サイゴンは没落。1975年4月30日のことでした。写真上の戦車がフェンスを破って、大統領官邸に突入し、これにより事実上のサイゴンの時代の終焉となります。

南北統一にちなんだ名前に改名

4月30日は現在ではベトナムの祝日に制定されています。名称は「南部解放記念日」であったり、「戦勝記念日」であったりと人によってさまざま。その後、ここ旧大統領官邸は、南北が統一した場所として、「統一会堂」と名称が変更され、現在に至ります。

現在でも重要な国際会議の際は統一会堂を使うので、不定期で休館します。

統一会堂の敷地内には多くのツアーバスや旅行者が行き交っています。世界中の外国人旅行客が訪れるので、統一会堂内はいつだって混雑しています。

当時の大統領の贅沢な生活がみてとれる

施設の一部は実際の会議用に改修されていますが、そのほとんどは当時のままの様子を再現しています。注目すべきは大統領と夫人の贅沢な生活環境。なんと官邸の中に映画館があります。実際は娯楽としてだけではない活用方法もあったのかと思いますが、それでもプライベートシネマとはいい身分です。そのほかにも麻雀台、ピアノ、ビリヤード台なども当時のまま安置されています。また。映画館だけではなく、統一会堂内には大統領夫人の趣味である庭園や、蔵書を保管する図書室などもあります。ほかにも国内外から集められた多くの貴重品があったそうですが、大統領が海外に亡命する際に持ち出したといわれています。

ベトナム戦争の時代に戻る

写真上は無線連絡室兼暗号解読室。ここで無線による通信、および、北ベトナム軍の通信を傍受していたとされています。狭い密室の部屋で、緊迫した雰囲気が伝わってくるかのようです。こちらは軍用ヘリコプター「UH-1」。ミリオタでなくとも、数々の戦争映画の定番ヘリとして活躍していますね。日本でも現役で使われています。

隠し通路の存在も

また、統一会堂内のどこかには、大統領が退却するための隠し通路もあるといわれています。その通路を進んだ先は、タンソンニャット空港に通じているらしいです。ただし、これは都市伝説的な話。実際統一会堂から空港までは7km以上ありますし、避難通路のために作られたのであれば、空港であることも合理的ではありませんね(真っ先に空港が封鎖されるはずなので)。

年配者の方にとっては、ベトナム戦争はそれほど古くはない記憶。サイゴンが没落した瞬間は全世界で放送されましたので、当時の記憶がある方もいらっしゃることでしょう。統一会堂はホーチミンおよびベトナムの歴史を語る上で、必要不可欠の施設。ベトナム戦争に興味がない方も、観光名所を楽しむための材料として、少しだけ勉強していってみてはいかがでしょうか。

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