メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

2025年7月12日更新

ホーチミンから日帰りで行ける!メコンデルタ(Cửu Long)ツアーの魅力

ホーチミン市から南西へ約1時間半。そこには、「九龍」とも呼ばれるメコンデルタ(Cửu Long)エリアが広がっています。

「Cửu」はベトナム語で「9」、「Long」は「龍(りゅう)」を意味し、あわせて「九龍(きゅうりゅう)」=9匹の龍という意味になります。名前の通り、この地域には9つの支流があり、今回訪れるのはそのうちのひとつ「ティエン川(Sông Tiền)」です。

メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

ここではボートを使った移動が日常であり、水辺の暮らしを体感できる魅力的な日帰りツアーが、日本人旅行者にも人気を集めています。

ベトナムと日本のボート文化の違い

日本で「ボート」といえば、遊覧船やモーターボートをイメージする方が多いかもしれませんが、メコンデルタではまさに“生活の足”であったことがあります。

大小さまざまなボートが人や荷物を運び、まるで水上のバスやトラックのように使われています。特にこのツアーでは、エンジン付きの大型ボートと、地元の人が手漕ぎする小さな舟の2種類を体験できます。

2種類のボート体験つきの充実ツアー

このメコンデルタツアーでは、合計2回のボート体験があります。

① メコン川クルーズ(エンジン付きボート)

メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

ミトー到着後、エンジン付きの中型ボートに乗ってメコン川をクルーズ。島に渡るための移動手段でありながら、川の広大さと南国の景色を楽しむことができます。

② 手漕ぎボートでジャングル運河体験

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島の中の細い運河に入る場面で、現地の方が漕いでくれる小舟(サンパン)に乗船。両岸にココナッツの木々が生い茂るジャングルのような景観を、静かに揺られながら進みます。

この2種類のボートを通じて、メコンの「川の暮らし」を間近で感じられるのが、このツアーの魅力です。

メコンデルタツアーの一日スケジュール

8:00 ホテル出発

ホーチミン市内のホテルにてピックアップ。日系ガイドまたは日本語ガイドが同行するので安心です。ローカルな市場や水田など、ベトナムらしい風景が楽しめます。

9:30 第1回ボートクルーズ

ミトーに到着後、まずはエンジン付きのボートに乗船し、島へ向かいます。川幅の広さに驚かされつつ、ボートの揺れに心地よく揺られながら、自然の景色を楽しみましょう。

10:00 第2回 手漕ぎボートでの運河クルーズ

小さな手漕ぎボートへ乗り換えて、ヤシの木が並ぶ細い運河を進みます。エンジン音のない静かな時間のなかで、自然と一体になったような気持ちに。

10:30〜12:30 現地文化体験

  • ハチミツ農園でハニーティーの試飲
  • 地元の民謡鑑賞
  • メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

  • 巨大ニシキヘビとの記念撮影
  • メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

  • 馬車で島内をのんびり移動
  • メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

  • 季節のトロピカルフルーツの試食

どれもベトナム南部ならではの素朴な魅力があり、観光地化されすぎていない自然な体験が楽しめます。

12:30 昼食 at Mekong Rest Stop

ランチは人気の「Mekong Rest Stop」にて。名物「象耳魚(エレファントフィッシュ)」はインパクト抜群。揚げた魚をライスペーパーに包んで食べるベトナム式が楽しいです。

また、南部の米麺「フーティウ」や、丸く膨らんだ「風船もち(Bánh phồng chiên)」もぜひ味わいたい一品です。

13:30〜14:30 地元産業の見学

午後は、ココナッツキャンディ工場ハチミツ農園を訪問。ベトナムの特産品がどのように作られているかを学びながら、お土産選びもできます。

14:30 ホーチミンへ出発

帰りの道中も、のどかな田園風景が続きます。

17:00 ホテルまたは希望場所で解散

ご希望があれば、マッサージ店やレストラン、有名カフェ「Marou」などでの解散も可能。事前予約でアレンジできます。

ツアーの様子|五感で楽しむメコンデルタ体験

日本語ガイドが丁寧で安心

ツアーには経験豊富な日本語ガイドが同行。現地の文化や歴史、植物や料理にいたるまで、わかりやすく丁寧に説明してくれます。ベトナムが初めての方でも安心して参加でき、旅の理解がぐっと深まります。

手漕ぎボートに揺られてリラックス

「手漕ぎ小舟に乗って川下り」の時間は、まさにメコンデルタのハイライト。水面近くから眺めるヤシの木と静かな運河の風景は、日本では体験できないもの。ゆっくりと進む舟の揺れに、自然と心も落ち着きます。

民謡の音色と南国フルーツのひととき

島では、現地の人が歌う民謡鑑賞も。やさしい声と素朴な楽器の音色に、なんだか懐かしい気持ちになります。あわせて、季節の南国フルーツの試食ハニーティーのサービスも。甘みと香りが疲れた体に染み渡ります。

巨大なニシキヘビとの記念写真…怖い?楽しい?

ちょっとドキドキするのが、ニシキヘビとの記念撮影。希望者だけですが、「せっかくなら!」と挑戦する方も多く、意外と記念に残る体験です。スタッフがしっかりサポートしてくれるので、安心して参加できます。

象耳魚と揚げ風船もちのユニークなランチ

昼食では、名物の象耳魚の唐揚げ(Cá tai tượng chiên xù)が登場。見た目はインパクト大ですが、外はカリッと、中はふわっとしていて絶品!

加えて、メコンならではの「揚げ風船もち」は、写真にも映えるユニークな一品。食べるのがもったいないほど膨らんだもちに、皆さん歓声を上げます。

ボートの上で「はい、チーズ!」

手漕ぎボートの上では、ぜひカメラやスマホをお忘れなく。ガイドさんが「はい、チーズ!」の掛け声でシャッターを押してくれるので、旅の思い出に残る一枚が撮れます。水の上ならではの光の反射も綺麗で、写真映え間違いなしです。

アオザイで特別な1枚を!

事前にアオザイレンタルをして参加される方も増えています。川や島の風景にアオザイ姿がよく映え、写真撮影にぴったり。旅行の記念として、ちょっと特別な1枚を残したい方にはおすすめです。

地元の人にとっての「水上交通」とは?

メコンデルタでは、川が道路のような役割を果たしており、ボートは生活に欠かせない「足」です。日本では車やバイクが主な移動手段ですが、この地域では多くの人が毎日の移動や商売に水上交通(すいじょうこうつう)を利用しています。

ツアー中に見られる3種類の代表的な船

■ 「xuồng(スォン)」|手漕ぎ小舟=家族の手

メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

「スォン」と呼ばれる小さな手漕ぎボートは、主に一家に一台持たれているような感覚の船です。長さは約3〜4m、幅は1m前後で、木製のものが多く見られます。モーターがついていないため、静かに水面を進むのが特徴で、まさにツアーで乗る「手漕ぎボート」と同じタイプです。

■ 「ghe(ゲー)」|農産物を運ぶ実用船

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「ゲー」は、スォンよりもひと回り大きく、農作物や商品を積んで運ぶ船です。市場に野菜や果物を運んだり、家族での移動にも使われます。エンジンがついていることが多く、速度も比較的速め。

朝早くに水上マーケットへ向かうと、たくさんの「ゲー」が並び、商品を船の上で売り買いする光景が見られます。バナナ、ココナッツ、スイカ、花などを高く積み上げ、船の先に商品サンプルを吊るしているのが特徴です。

■ 「sà lan(サーラン)」|水上のトラック、大型運搬船

メコンデルタでボート体験!ホーチミン発の日帰りツアーで水上の暮らしに触れる旅へ

Photo source: VnExpress

最後に紹介するのは「サーラン」。これはいわば水上のトラックのような存在で、コメや砂、建築資材などの大量の荷物を運ぶための大型船です。全長20m以上のものもあり、川幅の広いメコンデルタならではの存在です。

サーランは、ベトナム全土に物資を運ぶための重要なインフラであり、地方都市から都市部へコメを運んだり、逆に都市から日用品を輸送したりするなど、物流の要となっています。

ベトナムのボートに目が描かれている理由とは?

メコンデルタのボートをよく見ると、船首(先端)に大きな“目”が描かれていることに気づくでしょう。これは単なる装飾ではなく、古くから伝わる安全祈願の風習です。

水の精霊や川の神さまを敬うベトナム文化において、目を描くことで「船に視界を与え、悪霊や障害物を避けて安全に航行できるように」という願いが込められています。

とくに濃い霧や夜間の航行があるメコンデルタでは、こうした伝統は今も色濃く残っており、小さな手漕ぎ舟から大型の運搬船「サーラン」まで、あらゆる船に目が描かれています。

日本の船にも目は描かれるの?

日本では、ベトナムのように「ボートに目を描く」という文化は一般的ではありません。ただし、似たような意味を持つ風習は存在します。

たとえば、漁船に掲げられる「大漁旗」 や、船名の一文字に縁起を担いだ文字を使うことがあります。これもまた、海の神さまへの信仰や航海の安全を祈るためのもので、ベトナムと同じく「自然と共に生きる知恵と願い」が込められています。

つまり、方法は違えど、日本とベトナムには**“船に魂を宿し、安全を願う”という共通の精神文化**が根付いていると言えるでしょう。

まとめ|「ただの観光」ではなく「体験」を求める方に

メコンデルタのボート体験ツアーは、単なる観光にとどまらず、ベトナムの生活文化や自然に深く触れることができる貴重な時間です。

ホーチミンからの日帰りで気軽に訪れることができるので、スケジュールが限られている旅行者にもおすすめです。

静かな川を、地元の方が漕ぐ舟でゆったり進む」――そんな体験は、きっと旅の思い出として長く心に残るはずです。

動画をご覧ください。

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