2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

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2023年5月15日更新

ベトナムは、普段使っているカレンダー上の1月ではなく、旧暦の正月がお祝いの本番であり、「テト」と呼ばれています。祝日の少ないベトナム人にとって、この期間は一年で最大のビックイベント。街はテトの数週間前から浮足立ち、テト前後は会社などは1週間から2週間のお休みとなります。帰省や旅行などで移動する人が多く、ホーチミン市内に残った人々も、親戚の集まりやパーティで大盛り上がりします。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

そんなテトですが、ベトナムに住んでいる日本人は、日本へ一時帰国したり、旅行したりする人が多いようです。「1年に一度の長期休暇」「開いているお店が少ない」などがその理由ですが、私は「寒い日本に帰るのも嫌だし、どこに行くにも航空券が高い」という理由で、ホーチミンに残ることにしました。

今回の記事では、ホーチミンのローカル地区に住む私が見聞きした2020年テト前後の様子を報告します。

テト前の街の様子

2020年のテトは、1月25日(土)。祝日期間は、1月23日(木)~29日(水)でした。

個人経営の飲食店、洗濯屋さんなどは、1週間から2週間の休みをとるところが多かったです。私が日本語を教えている学校は、1月14日から2月2日までがテト休みでした。

テトの数週間前から街は異なる様相を見せ始め、人々もそわそわしているのが手に取るように分かります。ちなみに、何かと物入りな時期なので、スリやひったくりも増えるそうです。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

通りでは、テトの飾り付けがされたスイカがよく売られるようになります。どうやら、丸いものは縁起が良いとされているようですが、とくにスイカは「順風満帆な人生が送れるようになる、幸運のシンボル」とされているそうです。楕円型と丸型の2 種類がありますが、より大きくて丸いスイカが好まれるそうです。

スイカに関しては、ベトナムにはこんな説話があります。ベトナムで最も有名な王の一人、フン王の養子、マイ・アン・ティエム(Mai An Tiêm)王子が、王に憎まれて小島に流された際、飛んできた鳥が落とした種をもとにスイカを育てはじめ、それを売って繁栄したそうです。ベトナムには、「西瓜王子」の祭礼の日がある地域もあるそうです。日本人からすると、スイカに絵を描いて売るのは不思議な光景ですが、このように、スイカはベトナム人にとって縁の深い食べ物なんですね。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

それから、テト前には、このようなかなり大きめの鉢植えの黄色い花が、路上で多く売り出されます。黄色は、活気、幸せ、幸運、成功のシンボルだそうで、赤とともにベトナム人のお祝い事の際にはかならず登場する色です。花の品種は、主にバラ、菊、マリーゴールド、ユーストマ、キンセンカなどがメインのようで、メコンデルタなどからホーチミン市に運ばれた花が、路上や花市場で大々的に売られます。

特にキンセンカは、ベトナム語でバントーと言い、日本語の「万歳」という意味だそうです。とても縁起のいい名前ですね。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

この花、普及率がものすごくて、うちの近所の家々はほぼ全てこの花を置いていました。テト前にはバイクでこの鉢植えを運ぶ人も多く見かけました。日本でいうところの門松的なものなのでしょうか。しかし日本では最近門松を飾る人も減っていると思いますから、ベトナムでは伝統的な習慣がまだ色濃く残っていることがうかがえます。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

また、ベトナム国旗も売り出されます。祝日の際にも、多くの家がベトナム国旗を掲げるのですが、テトももちろんお祝いですから国旗がたくさん売れるようです。また「新年おめでとう」という垂れ幕もよく売られていました。

観光の中心地であるベンタイン市場やオペラハウスにも、このような垂れ幕が下がっていました。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

また、道がいつもより混み合います。テト前に田舎へ帰省する人や、買い出しに出る人が多いためです。ただでさえ混んでいる道が、大変なことになります。ベトナムでは、テトは親戚一同で過ごす習慣があり、ベトナム人はかなり遠い所でもほぼ必ず帰省します。そのためいろいろな人から「ホーチミンから人がいなくなる」と聞いていたのですが、住宅地である私の家付近は、むしろ人が増えていました。テト数日前から毎晩、宴会やカラオケでいつもより賑わっており、「人がいないなんて嘘じゃん……」と思いました。

テト中の街の様子

新年になった瞬間は、街中の爆竹の音で気づくことになります。

テト前の混雑とは打って変わって、今度は道路がものすごく空きます。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

こんなに空いた道は見たことが無かったので、びっくりです。

今年は旧正月一日目に、グエンフエ通りの通称「フラワーロード」に行ってきました。おめでたい赤や黄色の花が多く飾られていますが、大変な賑わいを見せていて、遠目で観察するにとどまりました……。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

この写真を見ただけでも、赤と黄色の服を着た人が多いことが分かると思います。アオザイやドレス姿の人もたくさん見ました。

ちなみに、ベトナムでは 「赤」が王道の色とされ、幸運と金運、繁栄をつかさどる色とされています。また、悪魔を追い払う色とも言われているため、旧正月準備にはこの色が登場します。

フラワーロードに行った後は、チェーン店のカフェ「phuc long」に入りました。テト中でもチェーン店であれば開店していますし、少なくと中心街であれば、開いているカフェを探すのに苦労はありませんでした。ただし、1.25倍のサービス料が加算されていました。ベトナムには、「テト中に従業員を働かせる場合、3倍の給料を払わないといけない」という規定があるため、このようにいつもより高い値段になることもあるようです。

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

ちなみに、ホーチミンにある博物館や美術館、観光施設、政府・自治体系施設、市場などは正月三が日(1月25~27日)がお休みとなるところが多かったようです。ショッピングセンター、モールなどでも休業となるところがあります。ただし、テトのセールを行うお店もあるので、テト中に暇な私はイオンモールに行ったりもしました。

テト明けの街の様子

私がテト中に準備したことと言えば、自炊用に1週間分の生鮮食品を買いだめすることぐらいでした。チェーンの大手スーパーも含めて、スーパーが1週間閉まることは予想がついていたからです。

しかし、テト明けも……

2020年のテト(旧正月)のホーチミンの様子

全然生鮮食品が揃っていないことは、予想外でした……。ほぼ毎日自炊をする私にとってこれはキツかったです。

もちろん、コンビニなどは休みませんし、ホテル、両替屋、旅行会社など旅行者に携わる業態は普段通り営業していますので、観光客の方が困ることはないと思います。

まとめ

以上、私がホーチミンで過ごした際のテトの様子をお伝えしました。観光ではなかなか分からない、テト中の街の様子が伝われば嬉しいです!

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