フォーって本当にみんな食べてるの?ベトナム麺にまつわる10のエトセトラ

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2023年5月16日更新

ベトナムのガイドブックを開くと、真っ先に目に映るのが「フォー」の写真。日本人にとってフォーはベトナム料理の象徴であり、エスニック料理の代表でもありますね。しかし、本当に現地に行けば、ベトナム人はみんながみんなフォーを当たり前のように啜っているのでしょうか。

今回はベトナム麺に関してご紹介したいと思います。

1.国民食はフォーではなく「ブン」

フォーって本当にみんな食べてるの?ベトナム麺にまつわる10のエトセトラ

おそらくベトナムに来たことがない方は、まずは知らない知識から。先に言った通り、旅行者が考えるベトナム麺といえば王道はフォー。しかし、ベトナム人の本音はちょっと違います。

実はベトナム料理において、フォーよりもメジャーな麺料理があります。それが「ブン」と呼ばれる麺です。フォーと同様に米粉の麺ですが、フォーは切り麺、ブンは押し出し麺の違いがあります。フォーといえば思いつくのはスープがあるベトナム版ラーメンですが、ブンはさまざまな料理の素材に使用される変幻自在の食材。もう一つの名物生春巻きに包む具にもよく利用されまています。

ベトナム人の国民食はフォーじゃない?「ブン」とはどんな麺料理?

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ベトナムを紹介するテレビや雑誌を見てみると、決まって出てくるのが「フォー(Pho)」。牛骨もしくは豚骨出汁のあっ...

2.多彩なブン料理

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ブン料理は実に種類が豊富。

ブン・チャカー(Bun Cha Ca)

ブン・ボー・フエ(Bun Bo Hue)

ブン・リウ(Bun Rieu)

ブン・チャー(Bun Cha)

ブンダウ(Bun Dau)

ブン・マム(Bun Mam)

ブン・ティッ・ヌン(Bun Thit Nuong)

ブン・チャーヨー(Bun Cha Gio)

ざっと挙げただけでもこれだけのブン料理があります。家庭で作るものや郷土料理も含めたら、この数倍はあるでしょう。実際のところ、フォーは家庭では滅多に作りませんが、ブンを使った料理は手軽で作れることもあって、食卓にもよく上ります。

3.その土地で食べられる郷土料理は必見!

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日本でも旅先で食べる郷土料理は国内旅行の楽しみですよね。ご当地グルメと称して専用のガイドブックも多数で回っているほど。ベトナムでも同様に、その土地で食べられる郷土料理がたくさんあります。

例えば北部港湾地帯で食べられる「バインダークア」。コシのある平麺は米粉とサトウキビを練り合わせたもの。カニ風味のスープが絶妙に美味。

中部世界遺産ホイアンで食べられるのは「カオラウ」。日本の伊勢うどんがルーツと言われていますが、詳細は不明。丼の底に溜まった濃厚のスープを麺に絡めて食べます。

南部メコンデルタ地方からは「ブンマム」。マムは小魚を発酵させた、ちょっとクセのある調味料。保存が効くことから漁村で古くから作られている先人の食材。そのマムをスープのベースにした料理です。甘味とコクがあり、これもまた美味。

4.「北部がフォーなら南部はフーティウ」

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北部のハノイと南部のホーチミンは、例えるなら日本の東京と大阪の関係。ハノイ人が「ホーチミンの言葉は締まりがない」といえば、ホーチミン人が「ハノイ人の言葉は汚い」と言い返します。なかなかワイルドな両者の関係は麺事情にまで及んでいる様子。「ホーチミンの麺は全部甘い」といハノイ人が言い、「ハノイの麺はしょっぱい」とホーチミン人が言います。やがては「北部がフォーなら南部はフーティウ」という言葉も出てきます。

外国人には知名度抜群のフォーですが、こちらは北部が発祥。対して南部は「フーティウ」と呼ばれる麺料理があります。米粉のストレート麺で、コシと弾力があるのが特徴。メコンデルタの名物として現地では知られ、かつてカンボジアが南進してきた際に伝わった料理という説が有力。カンボジアには「クイティウ」と呼ばれるフーティウに発音も味も似た料理が実際あります。

5.たいていの食堂には隠れメニューがある

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麺料理を食べたければ食堂に行くのがいいでしょう。もちろん屋台でもおいしく食べられますが、旅行者は衛生面でちょっと心配があります。もちろん食堂もずさんな衛生管理ですが、まだマシ?でしょう。

その食堂では、たいてい一つのお店で扱っている麺の種類は1~3種類程度。例えばフォーの食堂であればフォーとミエンの2種が定番。ミエンとは春雨のことで、フォーと同じスープで作ることができます。要は麺を変えるだけで済むので、扱いが容易ということですね。しかし、表看板にもメニューにもミエンは出ていません。現地人の間での暗黙の了解なのでしょう。それ以外にもフォーのスープに入れられた半熟卵もフォーの付け合わせの定番ですが、こちらも食堂のメニューにはのっていませんね。

6.汁なしの「コー(kho)」がある

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もしメニューに「Pho Kho」というものがあったら、是非頼んでみてください。「Kho=乾燥」という意味で、いわゆるスープ無しの麺となります。もしメニューになくとも、食堂であれば大抵作ってくれるので、お店の人に伝えてみるといいでしょう。ちなみに筆者の好きな汁なし麺はフーティウの「Hu Tieu Kho」。

7.ベトナムの象徴米粉麺。ぶっちゃけ言うと、世界各地にある

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米粉麺といえばベトナム麺のシンボル的存在にも映りますが、世界を見てみると、実はそうでもない様子。東アジアをみても中国や台湾にありますし、日本人もしばしば食べるビーフンも米粉です。さらにベトナムが位置する東南アジアをみても。タイ、カンボジア、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、ミャンマー、ラオスとほぼすべての国の代表料理にあります。南アジアでもインド、スリランカ、果てはアメリカ、カナダにまで伝わっています。アジア料理であることには変わりありませんが……。

8.ベトナム人の主食は麺ではなくご飯

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フォーのイメージが先行しているベトナムでは、「ベトナム人の主食は麺?」と思っている方も少なくないでしょう。確かに彼らは日本よりも麺文化は発達していますし、日本人よりも麺料理を食べる頻度は高いといえます。しかし、主食はあくまでもご飯・白米です。ベトナム人に訊いたところ、麺とご飯を食べる頻度は3対7程度で圧倒的にご飯を食べる割合が多いとのことです。麺は朝の出勤・通学前に簡単に食べたり、夜食として小腹が空いたときに食べることが多いようですね。

9.日本のラーメンはウケが悪い

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現在ベトナムは空前の日本食ブーム。日本食レストランはホーチミン市内だけでも250以上ありますし、巻き寿司を提供する屋台も出てきて、それらも合わせると500を超えると言われています。日本食好きが多いベトナム人ですが、ラーメンはどうやらそれほど好評ではない様子です。もちろん好きな方もいますが、全体を見ると割合は他の日本料理に比べると極端に低い様子です。

そこで、ベトナム人にラーメンのどこがダメなのかを訊いたところ、こんな答えが。

「どのラーメンもスープがとても塩辛い」

「味が濃くて塩辛くてダメ」

「醤油味と塩味の違いが分からない」

麺にうるさいベトナム人の舌に合うラーメンはなかなか出てこない様子ですね。ただ、単純に彼らが外国食に食べなれていないということも言えます。例えば日本に留学や仕事で住んでいた経験がある方は、比較的ラーメンも好んでくれています。

10.女子注意!実はヘルシーではない

フォーって本当にみんな食べてるの?ベトナム麺にまつわる10のエトセトラ

日本でブームが起きたときは、あっさり味のヘルシー料理としてフォーが注目されましたね。しかし、よくよく考えてみると、フォーもブンも原料は米粉。The炭水化物ですね。スープも合わせると、一杯のカロリーは500kcalほどになると言われていますし、糖質も高いです。ダイエット中の女性は1日1食がいいところ。最近はベトナムでもメタボの子供が多く、ちょっとした社会問題となっています。健康促進を目的にしたマラソン大会が全国各地で開催されていますが、これといったPR効果も成果もない様子。日本も抱える問題なので他人事ではありません……。

旅行者を飽きさせない麺大国

ここで紹介してもご理解いただけるように、ベトナムは紛うことなき麺大国。実際は米粉麺だけではなく、春雨、たまご麺、タピオカ粉麺などもありますので、旅行先でさまざまな種類のベトナム麺を試食してみてください。きっと新しい味に出会えることでしょう。

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