メコン川デルタ地帯、ベンチェー省はココナッツの王国
2023年5月15日更新
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たまにはホーチミン市を離れ、少し郊外へ日帰りの旅にでも。ブンタウ、ミトー、クチなどがツアー会社で見かけるお馴染みの名前だが、メコン川の河口に位置する「ココナッツ王国」ベンチェーもおもしろい。
ホーチミン市から南西へ100キロ弱。車だと途中、メコン川をまたぐラックミエウ橋を渡り、2時間ほどの距離だ。メコン川クルーズ観光の拠点となっているとミトー市とベンチェー省を結ぶこの巨大橋は、メインブリッジだけでも2キロ868メートルある。橋を渡るととたんに、車窓にココナッツの木が目立ち始めるのだが、なぜこの土地でココナッツの生産が盛んなのかというと、その土壌成分と関係あるらしい。
メコン川の最も海に近い部分に位置し、河口の2つの大きな三角州によって構成されている土壌には、ココナッツの成長を促す適度な塩分濃度が含まれるのだという。
橋を渡って進路を南に取り、さらに海の方角へ向かえば、道の左右はココナッツツリー一色となる。実を満載したトラックに頻繁にすれ違い、川を橋で渡るときにはココナッツを山のように積んで出航を準備しているボートに出会うなど、南国風景の真っ只中となる。
「美しい女性の立ちは、ベンチェーのココナッツの木の形 細く、背が高く、髪の毛が風にそよぐ・・・」「遠いところに行ってココナッツの木を見ると、ベトナムの女性の美しさを恋しく思い出す」ーベトナム人なら誰でも知っている民謡の一節だ。
ココナッツといえば、そのまま実の中の水分を飲んだり、内部の白い部分を絞った「ココナッツミルク」を料理に使うなどその用途は多岐にわたる。日本で今はやりの「ココナッツオイル」は、ベンチェーのように材料の豊富な地域では家庭で作られる。日本ではお菓子や料理に加えられることも多いようだが、ベトナムではもっぱらお肌に塗って化粧用として使われることが多いと聞いた。
また日本人にお馴染みのナタデココも実はココナッツからできているのだが、ベトナムではアイスティーなど冷たい飲料によく入れられている。
その他、繊維は荒いが独特の風合いがあるココナッツの木は、お皿、フォーク、ナイフ、ハシなどさまざまな生活用品に形を変えて、ベトナムを訪れた観光客の日本へのお土産としても人気。ベンチェーでは残念ながら、おしゃれにパッケージングされたココナッツオイルや、ココナッツ製品を販売する民芸品は見つからない。
しかしお土産店はなくても、このベトナム女性の出で立ちのごときココナッツツリーの風になびく風景を見て、さっぱりとしたココナッツジュースを飲んでいれば、それだけで癒し効果は十分。路上のあちこちにココナッツを山積みしたお店で1つ注文。その場で大きなナタで器用に実の頭を削り、ストローをさして渡してくれる。中にたっぷり入ったココナッツウォーターのさわやかな甘さが心を満たしてくれる。
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