【インタビュー】ベトナム人富裕層のお宅に直撃訪問。気になる彼らの生活は

2017年5月26日更新

2000年代に入ってからベトナムは高度経済成長期に入り、その発展の様子は日本のバブル時代を彷彿とさせるものがあります。ベトナム最大の経済都市であるホーチミンを歩いていると、ここが発展途上国であることを忘れさせるような近代的な高層ビル群を目の当たりにするでしょう。しかし、その傍らに佇む水上家屋や物乞いの姿も依然としてなくなることはありません。ベトナムという国の光と影、富と貧を同時に垣間見ることができる都市。それがホーチミンなのかもしれませんね。

今回はその内の光、"富"に焦点を当ててみました。ベトナムで成功を収めた、とあるベトナム人男性「フンさん/40歳・男性」のサクセスストーリーをご紹介したいと思います。

ベトナムの富裕層の生活を覗いてみよう

簡単な経歴を教えてください。生まれはホーチミンではないんですね?

フンさん「そうですね。私の故郷はダナンにあります。故郷を離れたのはダナン大学を卒業してからですね」

筆者「ダナン大学は有名な国立大ですね。さすがです。ダナン大を卒業したあとにホーチミンに来られたのですか?」

フンさん「いえ、実はホーチミンに来たのはずっとあとになってからなんです。ダナン大学を卒業したあとは、語学留学でフランスに行きました。なんだかんだで10年くらいいましたね」

筆者「語学留学で10年ですか。すごいですね……。ベトナム人はフランス留学が盛んですからね」

フンさん「ええ。その後ホーチミンには帰らず、ちょっとした縁でアメリカに1年ほど渡りました。ここで仕事に対しての大まかな道筋が見えてきましたね。それからマレーシアに研究者として行き、こちらも1年ほど住んでいました」

筆者「なんの研究ですか」

フンさん「研究というか、なんて言ったらいいですかね。私はオイル関係のエンジニアなので、オイルの知識と研究といったところです」

石油企業で働くエリートとして

筆者「オイル……ということは、石油ですね?確かにベトナムは80年代以降アジア有数の石油大国になっていますね」

フンさん「ええ、そうなんです。そういえば先週日本の石油会社(大手企業)とも商談してきましたね。皆さん勤勉で論理的で博識な人ばかりで感心しました。

筆者「マレーシアから戻ってきて、本格的に仕事をはじめたんですか?」

フンさん「そうです。ホーチミンで仕事を探して、現在の企業に就いています。現在は石油会社のディレクターの役職を担っています。ベトナム全国出張続きで大変ですよ」

気になる年収を少しだけ教えてもらっていいですか?

フンさん「年収ですか?ふふふっ、少しですよ」

筆者「お給料以外の所得もあるんですか?」

フンさん「そうですね。週末は資格塾でオイルに関して講師を勤めています。あとは株も少々やっています」

筆者「なるほど、いろいろな畑を耕しているんですね。でっ、気になる年収の方は?」

フンさん「なんて言えばいいのかな。日本の大手企業の年収と同じくらいだと思ってますよ。収入が上がればその分仕事も大変になりますしね」

筆者「じゃあ1000万前後ってところでしょうか?」

フンさん「もうひと押し!」

筆者「1500万くらいですか?」

フンさん「まあ、具体的な数字は伏せておきましょう。あと、ここ以外にも他にマンションを1つ、土地を2つ持っています」

話題を変えましょう。休日はどのように過ごしているのですか

フンさん「意外と普通ですよ。彼女と映画やカフェに行ったり、スーパーでショッピングしたり」

筆者「週末は休日ですか?」

フンさん「基本は土日休みですが、どちらかで講師の仕事が入りますね」

筆者「では旅行など遠出はちょっと難しそうですね」

フンさん「そうですね。泊りがけの旅行は年に2~3回程度でしょうか」

筆者「やっぱり海外旅行ですか?」

フンさん「海外はあまり行きませんね。行ったとしてもタイとか近隣諸国ですよ。専ら国内旅行です」

フンさんが考えるお金持ちになる方法を教えてください

フンさん「まずは目標を持つことだと思います。それも高い目標ですね。例えば、ベトナムで一か月5000ドル(約50万円)の収入を持っている人は間違いなく富裕層ですよ。お金持ちと言えます。でも、ホーチミンの中心を拠点に生活していると、5000ドルで満足はできなくなるんですよ。でもそれが大切。今の生活に満足してはいけないってことです」

筆者「なるほど。ちなみに、僕の周りのベトナム人は貯金に対する概念が低くて、何で貯金なんかするの?っていう人を多く見かけるのですが、それに関してはどう思いますか?」

フンさん「僕はそれはベトナム人の典型的な考えだし、今後は直していかないといけないことだと思っています。どんなお金持ちでも貯金に対する概念はとても大切で重要です。後先考えないで浪費して、将来の保険も考えないのはベトナム人の悪いくせです。ベトナムはまだまだ発展途上国で、日本のように政府が援助してくれるわけではありませんので」

筆者「まあ、先進国はどこも生活保護の問題を抱えてはいますけどね……」

フンさん「あとは、本業以外に収益源を作ることですね。企業勤めの社員だとどうしても限界がきます。僕のように株をやるのもいいですし、起業して自分で仕事をするのもいいでしょう。ベトナムは起業に関してはかなり大らかな国なので、一発当たれば人生の逆転も可能な環境だと思っています」

仕事で成功する秘訣はなんだと思いますか?

フンさん「幸運とタイミングと決心と実行。そして決断力ではないでしょうか。ただ、忘れてはいけないのが"勤勉さ"です。日本がここまで発展できたのはモノづくりの力と毎日真面目に働いた結果でしょう?私も尊敬しています。日本人のように毎日精一杯仕事をすることが、仕事で成功する大前提かと思っています」

お金持ちになって得たものと無くしたものはありますか?

フンさん「考えさせられる質問ですね……。そうですね。得たもので言えば、まずはお金。それは間違いないですね。それと、"誇り(プライド)"ですね。自分は成功したんだ!というよりは、自分のいまある地位は自分の力で苦労して手に入れた場所なんだ、っていうプライドですかね。」

筆者「なるほど。では逆に失ったものは?」

フンさん「"病気"と"時間"ですね。いまは毎日休みなく働いています。ベトナム人とは思えないでしょ。出張も多いのでなかなか恋人と一緒に過ごす時間がないのは申し訳ないと思っていますね」

筆者「病気とは?」

フンさん「私、最近病院に行ったら椎間板ヘルニアと診断されました。いやあ、参りましたね。コシが痛くて夜も眠れない日が続いています」

今と今後のベトナムについてどのようにお考えですか?

フンさん「ベトナムはここ10年、20年で急速に発展しました。しかし、将来は発展のスピードも穏やかになるでしょう。ただし、数年後には地下鉄もできるし、他の国では当たり前でもベトナムではいままでなかったものが次々にできてくるでしょう。また、いまは貧富の差が広がっているが、これからは日本やアメリカのように縮まっていくと思います。貧富の差は職種による給与格差が問題。日本のような国だと、エンジニアとセールス、事務職を比べてもそれほど給料は変わらないでしょ?でもベトナムだと何倍も変わってくる。間違った方向へ進まなければ、ベトナムの将来はベトナム人にとっても、ベトナムに投資を考える外国人にとっても光に満ちているかと思っています」

筆者「ありがとうございます!」

富裕層の年収について

今回インタビューでお邪魔したフンさんのご自宅は高級マンションのビンホーム。価格は2000万円で、これをおよそ1年払いで完済したとのこと。インタビューの中では年収1500万前後を匂わせる発言が見受けられましたが、筆者の所管だとさらに上の様子です。

不動産売買で富を築いた成金はベトナムでも増加中で、彼らの中には億単位の資産を築いている人も多くいます。しかし、今回インタビューに応じてくれたフンさんは、自身の努力と企業への日々献身的な貢献で得た財産。ほがらかな人柄ではありましたが、仕事に対する誠実な姿勢と先見の明を持つ鋭い眼差しは非常にストイックな印象を受けました。

コラムインタビュー

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