新型コロナウイルス(COVID-19)に関する2022年1月のベトナムの状況
2023年5月16日更新
この記事では、2022年1月末のホーチミンにおける新型コロナウイルスの状況についてご紹介していきます。
なお、こちらは2021年1月31日時点での情報となります。状況は変わっていくことが予想されますので、随時最新のニュースをチェックするようお願いします。
新型コロナウイルス・1月までのベトナムの感染者数
ベトナムの感染者数は約228.6万人、死者は約3.7万人となっています。
1月のおわりの過去7日間の平均で見ると、1日に確認される新規感染者数は1万5437人、死亡者は146人程度となっています。ハノイでは毎日3000人程度、ホーチミン市では100人台の感染者が見つかっています。
以下では、ホーチミンのコロナ第1・2・3波と、4月27日以降の第4波と呼ばれる感染拡大について、概況をお伝えしていきます。
新型コロナウイルス・ベトナムの第1・2・3波の動向
2020年には、ベトナムは早い段階からかなり厳しいコロナ対策がとったため、世界でも有数のコロナ封じ込めに成功している国として称賛されました。
2020年の2月のテト(旧正月)明けあたり始まった第一波では、各種イベントの中止、感染が疑われている人の隔離、学校の休校、外国人への厳しい入国制限などが行われました。世界各国で感染が広がる中で感染を抑え込み、4月から市中感染がない状態が99日続きました。
しかし2020年7月、ベトナム中部の都市ダナンから「第2波」と呼ばれた動きが発生、市中感染が再発しました。しかしこの動きも比較的すぐ落ち着き、市中感染が無い状態が89日続きました。
さらに、11月末、ホーチミンでの久々の市中感染が出ましたがこれも封じ込めに成功し、再び市中感染が無い状態が56日間続きました。
市中感染がしばらくなかったベトナムですが、今年1月末にハイズオン省とクアンニン省での集団感染が確認され、社会的隔離措置がはじまりました。この動きは、ホーチミンを含む他の省にも広がり、新規感染者が2月1日時点で計238人となりました(第3波)。
2月には、発生源となったハイズオン省で16日午前0時から最も厳しい社会的隔離措置が適用され、ハノイでは同じく16日午前0時より、市内の路上の飲食店やカフェの一時営業停止という措置がとられました。
こうした対策の結果、市中感染はおさまり、ホーチミンでは3月1日から教育機関が再開されるようになりました。そして、3月2日の発表では、1月27日以来1か月ぶりとなる市中感染者ゼロを達成しました。
4月26日午前の時点でベトナム国内累計感染者数は2846人、死者数は35人で、市中感染は3月25日以降発表されていない状況でした。
新型コロナウイルス・ベトナムの「第4波」の動向(4~12月)
4月27日ごろから、「第4波」と呼ばれる市中感染が起こり、複数ルートでの感染が広がっていきました。
これに際し、5月に、娯楽施設の営業停止、公共の場に30人以上が集合することの禁止、学校のオンライン授業切り替え、検問の設置、検問や駅などでの健康申告の義務化、レストランの席数の制限などがとられました。
5月28日から、全ての飲食店で飲食禁止(テイクアウト、デリバリーのみ)、スパ、美容関連施設(床屋、美容室、ネイルサロンなど)、美容クリニック、公園も営業停止となりました。
更に、5月31日午前0時から、ホーチミン市内全域で、生活必需品以外の店の営業停止などの社会隔離政策が始まりました。
6月20日からは
公共交通機関の運行の一時停止、職場や学校、病院以外の公共の場に4人以上の集合禁止などの政策がとられました。
そして7月9日から、ホーチミンでは、首相指示第16号に基づく本格的な社会隔離措置を実施することとなりました。
これは、
・外出の最大限の制限(真に必要な場合(食料、食品、薬品の購入等)のみ外出できる)。警官が見回り、不要な外出は罰金
・エッセンシャルワーカー等は検問で外出許可証提示
・必要不可欠な商品販売・サービス提供に該当する場合のみ営業可能
・交通機関の停止(バイクタクシーも営業停止)
・レストランの営業停止(デリバリー、テイクアウトも停止)
という内容です。
さらに、7月26日以降は強化策が取られはじめました。
・毎日18時から翌朝6時まで、緊急時や救急以外は実質外出禁止
・区・郡をまたいでの宅配サービスが原則禁止
・買い物券の発行(地区により差があり)。買い物を週2~3回に制限
しかし、ホーチミンでの感染者は4000人~5000人台で高止まる状況でした。
なかなか解決の糸口が見えない状況の中、8月は更に厳しい対策が取られることとなりました。
8月15日、すでに適用されている首相指示第16号/CT-TTgとさらに厳しい措置(いわゆる首相指示第16号+)を、9月15日まで1か月間延長することが決定しました。
ただし、
・スーパー、コンビニなどの従業員は18時以降も働いて良い
・生活必需品の区をまたいでのデリバリーが認められる
など若干規制が緩まった箇所もありました。
そして、23日からは、さらに厳しい外出制限がはじまり、買い物目的の外出も禁止となりました。
食料などの生活必需品は、軍隊やボランティアによる買い物代行となりましたが、こちらは地域により運用が異なり、無料で食料セットがもらえる地域、スーパーと直接やりとりして注文できる地域、近所なら直接スーパーに行っていい地域など、ばらつきがありました。
9月になっても感染者数は高止まっていましたが、ワクチン接種が進んだこともあり、徐々に政策は緩和されていきました。
そして10月1日、ついにいわゆるロックダウン政策が緩和され、スーパーマーケット、コンビニ、食料品店、小売店、卸売店、市場などがオープンし、街は活気を取り戻しはじめました。ただ、原則ホーチミン市外への移動は禁止で、帰省できない人が問題化しました。
この段階では、バー、スパ、カラオケ、マッサージ、店内飲食、映画館、ディスコ、ゲームセンター等はまだ営業停止でした。そして、28日、ホーチミン市で店内飲食が許可されました。酒類の販売は基本的に禁止ですが、7区とトゥードゥック市のみで許可されています。
実に約5ヶ月ぶりの店内飲食再開となり、10月末のホーチミンは大勢の人出で賑わいました。
しかしそのことで感染者は増えていき、11月30日あたりでは、一日の感染者数が1万3972人となり、10月1日にロックダウンが解除されてから最多となりました。(最も感染者が多く確認されたのはホーチミン市で1497人)
また12月初頭は、ホーチミン市における1日あたりの死亡者数は平均60〜70人で、1ヶ月前と比較して約3倍に増加という傾向になりました(ただし、93.5%は基礎疾患を持つ人で、92%が50歳以上の人。健康上の理由からワクチン接種ができていない人が多い)
しかし再び感染者数が落ち着いたことをうけ、ホーチミン市はバー、クラブ、カラオケを10日が再開許可されました。
これは実に8ヶ月ぶりの許可であり、街に活気が戻りました。
ホーチミン市は、12月13日から2週間、9年生と12年生の生徒の対面式授業を試験的に再開しました。
一方、28日、イギリスからハノイに到着した人のオミクロン株感染確認というニュースも流れました。
新型コロナウイルス・2022年1月の様子
ホーチミン市の旧正月恒例の花火の打ち上げですが、今年はコロナの影響で中止となってしまいました。
しかし、街はほぼ活気を取り戻しています。
長らく休校状態だった学校ですが、2月14日から幼稚園と小学校の対面授業の再開が決定しました。
だたし対面授業の再開に関して、学校は保護者の同意を得る必要があるとし、同意を得られない場合は、対象の生徒に対して引き続きオンライン授業を行うことになります。
また、観光客の受け入れについては、ベトナムが世界的に新型コロナウイルスのワクチン接種率が高い国となったとして、4月30日から外国人観光客の受け入れを全面的に再開が計画されています。
過去2ヶ月間で実施されたワクチンパスポートの試験運用の下で外国人観光客の受け入れにも成功しているとのことです。
また、外国からの渡航者が陽性だった場合の自宅隔離も提案されています。
オミクロン株を含むほとんどの新型コロナウイルス感染者は無症状または軽症であるためです。
この提案では、重い症状が見られる入国者は複数の治療レベルを持つ野戦病院へ、中等症の入国者は第12野戦病院または、本人の希望により私立病院へ移送されることになっています。また、軽度または無症状であれば自宅隔離を選択出来るが、居住地が検疫基準を満たしていない場合は第12野戦病院、あるいは私立病院での隔離という計画です。
新型コロナウイルス・ベトナムのその他のトピック
ホーチミン市は12月10日からワクチンの追加接種(ブースターショット)を開始する計画となり、
・2回目の接種を終えて3ヶ月以上たった成人が対象
・基礎疾患がある人、医療機関で長期間の治療を受けている人、50歳以上の人、コロナ禍で最前線で働く医療スタッフが優先とのプランが進められました。
詳しくは在ホーチミン日本国総領事館3回目のワクチンについてをご確認ください。
まとめ
以上、新型コロナウイルスに関するベトナムの動向をお伝えしました。今後も状況は変わっていくことが予想されますので、常に最新のニュースをチェックするようお願いします。
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