新型コロナウイルス(COVID-19)に関する2021年5月のベトナムの状況
2023年5月15日更新
目次
中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が、世界中で起こっており、ベトナムでも様々な対策がなされています。
この記事では、2021年5月末における新型コロナウイルスに関するトピックやニュースをまとめてご紹介していきます。
なお、こちらは2021年5月31日時点での情報となります。状況は変わっていくことが予想されますので、随時最新のニュースをチェックするようお願いします。
新型コロナウイルス・5月までのベトナムの感染者数
2021年5月31日午前の発表時点で、ベトナム国内の新型コロナ累計感染者数は7168人、死者数は47人となっています。このうち、4月27日以降の「第四波」と呼ばれる市中感染で確認された感染は34省・市の計4096人となっています。
新型コロナウイルス・ベトナムの第1・2・3波の動向
ベトナムでは、早い段階からかなり厳しいコロナ対策がとられ、世界でも有数のコロナ封じ込めに成功している国として称賛されました。
2020年の2月のテト(旧正月)明けあたり始まった第一波では、各種イベントの中止、感染が疑われている人の隔離、学校の休校、外国人への厳しい入国制限などが行われました。世界各国で感染が広がる中で感染を抑え込み、4月から市中感染がない状態が99日続きました。
しかし7月、ベトナム中部の都市ダナンから「第二波」と呼ばれた動きが発生、市中感染が再発しました。しかしこの動きも比較的すぐ落ち着き、市中感染が無い状態が89日続きました。
さらに、11月末、ホーチミンでの久々の市中感染がこれも封じ込めに成功し、再び市中感染が無い状態が56日間続きました。
市中感染がしばらくなかったベトナムですが、今年1月末にハイズオン省とクアンニン省での集団感染が確認され、社会的隔離措置がはじまりました。この動きは、ホーチミンを含む他の省にも広がり、新規感染者が2月1日時点で計238人となりました(第三波)。
2021年のテト正月は、里帰りしたいベトナム人にとって辛いお正月となりました。また、テト正月名物の花火を含む各種イベントの中止、ホーチミンの教育機関の休校措置の延長などの措置がとられ、今までにない静かなお正月となりました。
2月には、発生源となったハイズオン省で16日午前0時から最も厳しい社会的隔離措置が適用され、ハノイでは同じく16日午前0時より、市内の路上の飲食店やカフェの一時営業停止という措置がとられました。
こうした対策の結果、市中感染はおさまり、ホーチミンでは3月1日から教育機関が再開されるようになりました。そして、3月2日の発表では、1月27日以来1か月ぶりとなる市中感染者がゼロを達成しました。
第3波の震源地だったハイズオン省は、長く社会的隔離措置が続きましたが、4月1日午前0時から社会的隔離措置を終了しました。教育施設で登園・登校を再開され、2021~2022年度の高校入試は1週間遅れで実施されることとなりました。
4月26日午前の時点でベトナム国内累計感染者数は2846人、死者数は35人で、市中感染は3月25日以降発表されていない状況でした。
新型コロナウイルス・ベトナムの2021年4~5月(第4波)の動向
4月27日ごろから、「第4波」と呼ばれる市中感染が起こり、複数ルートでの感染が広がっていきました(感染ルートについては後述)。
これに伴い、ハノイ市は30日午前0時から、ホーチミン市は4月30日午後6時から、カラオケやバー、ディスコ等の営業を一時停止しました。
ハノイ市では3日から、遺跡、宗教施設、路上営業の飲食店やカフェの営業停止、4日から学校のオンライン授業化などの措置がとられ、ホーチミン市では3日から、マッサージ、サウナ、劇場、映画館、ゲームセンターなどが営業停止となりました。
更に、5月4日にはダナンで感染経路不明の陽性患者が1人出ました。それを受けてダナンでは4日午前0時から不要不急のサービスを休業、学校の登校禁止などの措置が取られました。
ハノイでは第2中央熱帯病病院集団感染が起きたことを受け、5日から不要不急の外出自粛要請が出ました。
ホーチミン市は5月7日午後から、ジム、ビリヤードなどのスポーツ施設、結婚式場、ビュッフェスタイルの飲食店、カラオケの営業停止、公共の場に30人以上が集合することを禁止となりました。更に10日から学校がオンライン授業に切り替え、11日以降は、検問の設置、検問や駅などでの健康申告の義務化、レストランの席数の制限などの対策がとられました。
16日の時点で、第四波の市中感染は2計1140人となり、5日からの11日間で1000任人以上増加と、急激な伸びをみせました。
ホーチミンでは21日夕方から小規模・中規模の飲食店の飲食禁止(テイクアウト、デリバリーのみ)となりました。
また、ゴーバップ区を拠点とする宗教団体での集団感染が見つかり、宗教施設、メンバーの自宅付近などが封鎖されました。1区の5ツ星ホテルも「シェラトン・サイゴン・ホテル&タワーズ(Sheraton Saigon Hotel & Towers)」もこの流れで封鎖されました。
ハノイは25日正午から、ホーチミンも28日から、全ての飲食店で飲食禁止(テイクアウト、デリバリーのみ)となりました。
またホーチミンではスパ、美容関連施設(床屋、美容室、ネイルサロンなど)、美容クリニック、公園なども更に閉まることになりました。
29日、ベトナムの感染者4人からインド型「B.1.617.2」と英国型「B.1.1.7」の両方の遺伝子変異体を持ったハイブリッド変異株が発見されました。このハイブリッド変異株は既存の変異株よりも感染力が強いと言われています。
これを受け、ホーチミン市では、市内全域で新型コロナウイルス検査を実施する方針となっています。感染リスクが高い地域を優先し、1日に約10万人ずつサンプルを採取する予定です。
新型コロナウイルス・ベトナム第4波の感染ルートについて
5月11日午前に開かれた会見では、ダム副首相が第4波の4箇所の集団感染ルートについて述べました。
第一に、日本からベトナムに帰国し、ダナンでの強制隔離期間終了後、ハナム省に戻った後に陽性となった2899人目の感染者から広がった集団感染。
第二に、インドから入国し、強制隔離措置を受けていたインド人専門家らから広がった集団感染。
第三に、ラオスから不法入国し、ハイズオン省に移動した3051人目の感染者から広がった集団感染。
第四に、ハノイ市中央熱帯病病院から同市K病院などに広がった集団感染。
中央熱帯病病院やダナン市の市中感染については、ルートが不明のため、当局は警戒を強めています。
第4波では、2週間の隔離後に陽性となった患者がいたことを受け、隔離期間が変更されました。5月5日から、集中隔離期間が14日間から21日間に延長、さらにその後の7日間の健康観察期間が設けられました。
まとめ
以上、新型コロナウイルスに関するベトナムの2021年5月の動向をお伝えしました。今後も状況は変わっていくことが予想されますので、常に最新のニュースをチェックするようお願いします。
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