ベトナムの歴史を学ぶ。ドイモイ政策とは
2023年5月16日更新
旅する国にはどんな歴史があるのか、歴史を知ると現在のその国が見えてきます。歴史にはいろいろな面があって、文化の歴史、戦争の歴史、政治の歴史、一つの国は多くの歴史をもっていますね。ここでは経済に直結する政策の歴史の話をします。
経済なんてめんどうですか?
でも今から旅する、あの美しいベトナムが貧しさから豊かさを目指した話、といえば興味がわくのではないでしょうか。
ベトナムが掲げた決意とは
ドイ‐モイ(Doi Moi)とはベトナム語で「刷新」を意味します。ドイモイ政策といえば、1986年に共産党が掲げた「刷新政策」というスローガンです。
日本の政権も「所得倍増」とか「戦後レジームからの脱却」などのスローガンでその政策を表すことがありますね。
このドイモイ政策の内容は簡単にいいますと、企業(会社)を自主的に活動させて利益を出させよう、資本を投入して商売をはじめてお金持ちを目指そう、年功序列だけでなく、若い人もどんどん登用して社会や経済の力をつけよう、というようなことです。
日本ではどの会社も自由に経済活動をして製品を売ったり輸出したり輸入したりつくったり、本業以外に不動産投資をしたり、自由に活動して利益を追求しています。日本で働く人は会社員になっても公務員になってもいいし、自分でお金(資本)を出して会社やお店をつくってお金儲けをするのも自由です。
年功序列の人事習慣はとっくに崩れ、大学生が起業してIT長者になる時代です。私たちにはドイモイ政策って当たり前すぎませんか?
ベトナムにとってドイモイ政策の意味
なぜベトナムでは、このような当たり前の政策をスローガンにする必要があったのでしょうか。それはベトナムが日本と違って社会主義国家であり、共産主義の経済体制の国だからです。日本では自分のものは自分の物、たくさん持つ人も少なく持つ人もいますが、社会主義国では皆ではたらき、皆で共有、皆が公務員、もうけは皆で分けましょう、という建前です。
こうなると、人間はどれだけ働いても皆で公平に分けられてしまうので、だんだん仕事の楽しみがなくなります。社会主義の国の店員がぶっきらぼうなのはこのせいですね。売れても売れなくてもお給料は同じなのです。
こうなるとよい製品を研究してつくろう、などという意欲はなくなり、国の技術力はおち、経済力が弱まります。つまり国民ひとりひとりはもちろん、国も貧しくなってしまうのです。こういう社会主義・共産主義の弊害に気づいたため、ちょっと自由な資本主義的な政策に「刷新=ドイモイ」して豊かになろう!と宣言し、国を立て直そうとしたのです。
さて、どのくらい立ち直ったでしょうか?それはベトナム旅行で実際にご自分の目で見てみましょう。
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