ベトナムコーヒーと聞いて、小さな金属製フィルター「フィン(phin)」からコーヒーが一滴ずつ落ちていく光景を思い浮かべる人は多いと思います。ホーチミンでは今も路上の小さな店からカフェまでフィンが使われていますが、街にはエスプレッソマシンやハンドドリップ、コールドブリューを扱う店も増え、コーヒーの飲み方はかなり多様になりました。
その中で今回選んだのは、「昔ながらに見える店」ではなく、フィンを今のホーチミンでどう残し、どう飲ませているのかが見える2軒です。タンディンの「96B cafe & roastery」は、ベトナム産のLiberica/Excelsa、Robusta、Arabicaを扱い、フィンのレシピやワークショップまで用意するロースタリー。ドンコイ通りの「Lacàph Coffee Bar」は、ベトナム産コーヒーを専門に扱い、昔ながらのブラックや練乳入りから、フィンを使った現代的なアレンジまで楽しめるコーヒーバーです。
どちらも、低いプラスチック椅子に座る典型的な路上コーヒー店ではありません。それでも、旅行者が「フィンって実際にどんなコーヒー?」と知るには入りやすく、豆や淹れ方にも目を向けやすい2軒です。観光の途中にただ甘いカフェスアダーを飲むのではなく、一度フィンそのものを意識して飲んでみたい人に向いています。
ベトナムの街角で親しまれるフィンコーヒー。撮影:ホーチミン観光情報ガイド編集部。
なぜ今、フィンを飲みに行くのか
フィンは、ベトナムで長く使われてきた金属製のコーヒーフィルターです。コーヒー粉を入れてお湯を注ぐと、底に開いた小さな穴から濃いコーヒーがゆっくり落ちていきます。ブラックでも飲めますし、練乳を合わせれば「cà phê sữa」、さらに氷を入れれば、日本人旅行者にもよく知られる「cà phê sữa đá」になります。
ただし、現在のホーチミンでは「ベトナムコーヒーを注文する=必ず目の前でフィンを使う」というわけではありません。忙しい店では事前に抽出したコーヒーを使うこともありますし、同じベトナム産の豆でもエスプレッソやハンドドリップで出す店もあります。
HCM City Guideの「ベトナムコーヒー百科【総論】」でも紹介しているように、今のベトナムコーヒーを見るなら、豆の種類だけでなく「どう淹れるか」まで見ると違いが分かりやすくなります。今回の2軒は、フィンを単なる「昔の道具」として置いているのではなく、現在のコーヒープログラムの中で使い続けている店を選びました。
なお、「フィンは何分で落ちるのが正解」という一つの決まりがあるわけではありません。粉の量、挽き目、フィンの大きさ、お湯の量などで抽出時間は変わります。96Bが公開しているフィン用のレシピでは、20gのコーヒーに160mlのお湯を使い、抽出時間の目安を7分以内としています。店や豆によって条件は違うため、「フィン=必ず○分」と考えるより、使う豆やレシピまで見るほうが面白いでしょう。
1軒目|96B cafe & roastery―フィンを「昔ながら」で終わらせないロースタリー
96B cafe & roasteryは、Tân Địnhエリアの96B Phan Ngữにあるカフェ兼ロースタリーです。旧1区にあたり、タンディン市場やタンディン教会周辺の散策とも組み合わせやすい場所にあります。
96B cafe & roasteryの外観。Tân Địnhエリアでベトナム産コーヒーを扱うカフェ兼ロースタリー。
96Bは2016年にスタートし、現在はカフェだけでなく、ロースタリー、コーヒー教育、グリーンビーンズの生産・輸出まで手がけています。扱う中心はベトナムで栽培・精製されたコーヒーで、ArabicaやRobustaだけでなく、Liberica/Excelsaにも力を入れているのが特徴です。
この店を今回選んだ理由は、「ベトナムらしい内装だから」ではありません。96Bではフィンを一つの正式な抽出方法として扱い、公式サイトでフィン用の豆や器具を販売するだけでなく、抽出レシピまで公開しています。さらに、Vietnamese phinを実際に学ぶワークショップも用意されており、フィンを単なる観光土産ではなく、一つのブリューイング方法として扱っていることが分かります。
一方で、96Bは昔ながらの路上コーヒー店とはかなり違います。スペシャルティコーヒーの考え方を取り入れ、産地、品種、精製方法、焙煎、抽出方法まで見ながら一杯をつくる店です。「昔のベトナムコーヒーを再現する」というより、昔からあるフィンを現在のコーヒーの中でどう使うかを見る店、と考えるほうが分かりやすいでしょう。
96B cafe & roasteryの店内。コーヒーの抽出だけでなく、豆や焙煎にも目を向けられる空間。
フィン向けの豆は? RETRO、WEEKEND、SMOKE
96Bの公式ラインナップを見ると、すべての豆を同じ方法で淹れるのではなく、それぞれの豆に向いた抽出方法が表示されています。その中で「phin」対応として現在確認できるのが、RETRO、WEEKEND、SMOKEなどです。
RETROは、Liberica 30%とRobusta 70%を使ったブレンドで、黒糖のような甘さ、スモーキーさ、重めのボディを特徴としています。96B自身も、サイゴンのカフェスアダーを意識したブレンドとして紹介しており、練乳や氷と合わせるフィンコーヒーとの相性を想定しています。
一方、WEEKENDはCatimor 60%、Liberica 20%、Robusta 20%。キャラメリゼしたパイナップル、ローストヘーゼルナッツ、スモークチョコレートといったテイスティングノートが示されており、同じ「フィン向け」でもRETROとはかなり方向が違います。SMOKEはベトナム産Fine Robustaを使ったコーヒーで、フィン、エスプレッソ、ドリップの複数の抽出に対応しています。
ここで注意したいのは、公式サイトに表示されている189,000VND、199,000VND、289,000VNDといった価格は、店で飲む一杯の値段ではなく、販売用コーヒー豆の価格だということです。カフェで実際にフィンを注文する際のメニューや価格は、訪問時に店頭で確認してください。
96Bのフィンは「レシピ」まで公開されている
フィンを詳しく知りたい人にとって面白いのが、96Bが公式のbrew guideを公開していることです。推奨レシピでは、コーヒー20gに対してお湯160ml、湯温98~100℃。まず30mlのお湯を注いで30秒待ち、その後130mlを追加します。3~4分後に抽出状況を確認し、全体として7分以内を目安にしています。
フィンというと「お湯を入れて待つだけ」と思われがちですが、96Bでは粉量、湯量、挽き目、温度まで数値で整理しています。同じ金属製のフィルターでも、使う豆やレシピで味が変わることが分かりやすく、コーヒーが好きな人ならこの部分も見ておきたいところです。
もっと知りたいなら、フィンのワークショップもある
96Bでは、コーヒーを飲むだけでなく、実際に自分で淹れるワークショップも行っています。「BREW VIETNAMESE COFFEE」は45分で、Vietnamese phin、エッグコーヒー、ココナッツコーヒーの3種類を学ぶ内容です。英語またはベトナム語で参加でき、料金は1人380,000VND。1人から申し込めます。
開催時間は固定ではなく、希望日の10:00~15:00の間で事前に調整する方式です。フィンを一杯飲むだけなら通常利用で十分ですが、「なぜこの豆を選ぶのか」「どう淹れるのか」まで知りたい旅行者には、こうした体験も選択肢になります。
営業時間は、96B公式サイトで毎日8:00~18:00と案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 96B cafe & roastery |
| 住所 | 96B Phan Ngữ, Tân Định, TP.HCM |
| エリア | 旧1区/Tân Định |
| 営業時間 | 8:00~18:00(毎日/2026年10月公式サイト確認) |
| フィン向けの豆 | RETRO、WEEKEND、SMOKEなど |
| フィンの目安 | 公式brew guideでは20g:160ml、抽出7分以内 |
| ワークショップ | Vietnamese phin・エッグコーヒー・ココナッツコーヒー/45分・380,000VND |
| 特徴 | ベトナム産Liberica/Excelsa、Robusta、Arabicaを扱うカフェ・ロースタリー・コーヒー教育施設 |
| 向いている人 | フィンを抽出方法から知りたい人/ベトナム産の豆を飲み比べたい人 |
公式情報:96B cafe & roastery / Coffee Workshops
2軒目|Lacàph Coffee Bar―ドンコイ通りの上階で、今のベトナムコーヒーを飲む
2軒目は、ホーチミン中心部の151 Đồng KhởiにあるLacàph Coffee Barです。ドンコイ通りという観光客にも分かりやすい場所にありますが、路面に大きく開いたカフェではなく、建物の上階にある小さなコーヒーバーです。市民劇場、グエンフエ通り、サイゴン川周辺の観光と組み合わせやすく、短い旅行でも立ち寄りやすい場所にあります。
ドンコイ通りの151 Đồng KhởiにあるLacàph Coffee Bar。建物の上階に位置するコーヒーバー。
Lacàphは「Coffees of Việt Nam」を掲げ、ベトナムのコーヒーとその背景にある文化を伝えることをブランドの軸にしています。Coffee Barでも、単にドリンクを注文して飲むだけではなく、Coffee Guideと呼ばれるスタッフが豆や飲み方について説明するスタイルを取っています。ベトナムコーヒーに詳しくない旅行者でも、何を選べばよいか相談しながら注文しやすいのが特徴です。
Lacàph Coffee Barの店内。ベトナム産コーヒーを味わいながら、豆や抽出方法について知ることができる。
今回この店を選んだ一番の理由は、現在のメニューにフィンを使ったコーヒーがはっきり残っていることです。2026年6月に確認された店頭メニューには、ブラックコーヒー、練乳入りコーヒーのほか、Phin Coconut、Phin Peanut Butter、Phin Lemonadeなどが並びます。「昔ながらのフィン」をそのまま出すだけでなく、同じ抽出を現在のドリンクへ展開している点が96Bとはまた違います。
まず飲むなら、Black CoffeeかCà Phê Sữa
フィンそのものを知りたいなら、最初からアレンジメニューへ行くより、ブラックか練乳入りを選ぶと分かりやすいでしょう。2026年6月の店頭メニューでは、Black Coffee(Cà Phê Đen)とCondensed Milk Coffee(Cà Phê Sữa)はそれぞれ70,000VND。Black Coffeeは、濃いコーヒーをゆっくり抽出するシンプルな一杯として案内されています。
練乳入りのCà Phê Sữaも70,000VNDで、フィンコーヒーと練乳というベトナムでは定番の組み合わせです。「ベトナムコーヒーは甘すぎるのでは」と心配な場合は、まずブラックを注文して豆の味を見たあと、別の機会に練乳入りを試してもいいでしょう。
もう少し変化をつけたい場合は、Phin Coconutが90,000VND。フィンコーヒーとココナッツクリームを組み合わせたドリンクで、暑いホーチミンでも飲みやすい一杯です。そのほか、Egg Coffeeは110,000VND、Salted Coffeeは90,000VNDなど、現在のベトナムで人気のコーヒーもメニューに並んでいます。
価格は2026年6月に確認された店頭メニューの内容です。訪問時には最新の店頭表示を確認してください。
Lacàph Phin BlendはRobusta 85%+Arabica 15%
Lacàphがフィン用に展開している「Lacàph Phin Blend」は、Robusta 85%とArabica 15%のブレンドです。RobustaはĐắk Nông、ArabicaはSơn Laで栽培された豆を使い、どちらもHoney Process。フィン向けの濃さを残しながら、Robustaだけで押し切らないバランスをつくっています。
公式サイトでは、Microfilter Phin Brewerと一般的なTraditional Phin Brewerのどちらも推奨抽出方法として案内されています。つまり、Lacàphにとってフィンは昔ながらのイメージを演出する小道具ではなく、自社の豆に合わせて使う正式な抽出方法の一つです。
このPhin Blendは2025年のGreat Tasteで2つ星を受賞し、Golden Bean Australasia 2024でもMilk-Based部門のBronzeを受賞しています。賞だけでコーヒーの好みが決まるわけではありませんが、ベトナム産Robustaを中心にしたフィン向けブレンドを、現在のスペシャルティコーヒーの文脈で評価している点は興味深いところです。
入口は少し分かりにくい。151 Đồng Khởiの上階へ
Lacàph Coffee Barへ行くときに知っておきたいのが、場所です。住所は151 Đồng Khởiですが、大きな路面店を探して歩くと通り過ぎる可能性があります。公式サイトでも「tucked away」と紹介されている小さなスペースで、店舗は建物の上階にあります。
ドンコイ通りは市民劇場やグエンフエ通りから近く、中心部観光の途中に組み込みやすい一方、初めて行く場合は住所を地図で確認しながら探すほうが安心です。営業時間は毎日9:00~18:30です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | Lacàph Coffee Bar |
| 住所 | Upstairs at 151 Đồng Khởi, Sài Gòn Ward, TP.HCM |
| エリア | 旧1区/ドンコイ通り |
| 営業時間 | 9:00~18:30(毎日/2026年10月公式サイト確認) |
| フィン系メニュー | Black Coffee 70,000VND/Cà Phê Sữa 70,000VND/Phin Coconut 90,000VNDなど(2026年6月店頭メニュー) |
| Phin Blend | Robusta 85%/Arabica 15% |
| 特徴 | ベトナム産コーヒーを、伝統的なフィンから現代的なアレンジまで紹介するコーヒーバー |
| 向いている人 | 中心部観光と組み合わせたい人/初めてベトナムコーヒーを飲む人/スタッフに相談しながら選びたい人 |
公式情報:Lacàph Locations / Lacàph Phin Blend
2軒を比べる|フィンを深く知るなら96B、初めて飲むならLacàph
今回の2軒はどちらもフィンを大切にしていますが、店の見せ方はかなり違います。96B cafe & roasteryは、フィン向けの豆、抽出レシピ、器具、ワークショップまで揃え、「どう淹れるか」を深く見せてくれる店です。フィンそのものに興味がある人や、普段からコーヒーを飲み比べている人にはこちらのほうが面白いでしょう。
Lacàph Coffee Barは、もう少し入口が広い店です。ブラックや練乳入りという基本のフィンコーヒーから、ココナッツ、エッグコーヒー、塩コーヒーなど現在のベトナムで親しまれているメニューへ広げられます。ドンコイ通りにあるため、初めてホーチミンへ来た旅行者が観光の途中に試しやすいのも大きな違いです。
| 比較 | 96B cafe & roastery | Lacàph Coffee Bar |
|---|---|---|
| エリア | 旧1区・Tân Định | 旧1区・Đồng Khởi |
| 一番の特徴 | ベトナム産の豆と抽出方法をロースタリー視点で扱う | 伝統的なフィンと現代的なベトナムコーヒーを一緒に楽しめる |
| フィン目的 | ◎ 豆・レシピ・ワークショップまで掘り下げられる | ◎ 店頭メニューでフィン系コーヒーを選びやすい |
| 体験 | フィンを含むコーヒーワークショップあり | Coffee Guideに相談しながら飲み比べしやすい |
| 観光との組み合わせ | タンディン市場・タンディン教会周辺 | 市民劇場・ドンコイ通り・グエンフエ通り |
| おすすめ | フィンを抽出方法や豆から知りたい人 | 初めてフィンを飲む人/中心部から行きやすい店を探している人 |
どちらを選んでも、「昔ながらのローカル店へ行く」という体験とは少し違います。今回の2軒で見たいのは、フィンという昔からある道具が、現在のホーチミンのコーヒーショップでどのように受け継がれ、更新されているかです。
フィンを目の前で飲みたいなら、注文時にここを確認
日本人旅行者が意外と迷いやすいのが、「ベトナムコーヒーを頼んだけれど、フィンが出てこなかった」というケースです。これは注文が間違っているとは限りません。店によっては事前にフィンで抽出したコーヒーを使ったり、別の抽出方法を採用したりしています。
グラスの上にフィンを置き、抽出するところから見たいなら、注文するときに確認するのが一番確実です。難しいベトナム語は必要ありません。「phin」という言葉だけでも伝わりやすく、次の表現を覚えておくと便利です。
| 注文・確認したいこと | ベトナム語 |
|---|---|
| フィンで淹れたコーヒーをお願いします | Cà phê pha phin nhé. |
| これはフィンで淹れますか? | Cà phê này pha phin không? |
| ブラックコーヒー | Cà phê đen |
| ブラックのアイス | Cà phê đen đá |
| 練乳入りコーヒー | Cà phê sữa |
| 練乳入りアイスコーヒー | Cà phê sữa đá |
| 練乳少なめ | Ít sữa đặc thôi. |
| 氷少なめ | Ít đá thôi. |
また、「ベトナムコーヒーは甘い」と思われがちですが、甘さはフィンの特徴ではありません。フィンは抽出器具で、練乳を入れるかどうかは別の話です。豆そのものの味を見たいならブラック、ベトナムらしい練乳との組み合わせを楽しみたいならcà phê sữaを選ぶと分かりやすいでしょう。
豆、甘さ、氷、抽出方法の違いを整理して注文したい場合は、HCM City Guideの「ベトナムコーヒー百科【総論】」もあわせて参考にしてください。
朝に行くなら96B、中心部観光の途中ならLacàph
旅行中の使い方まで考えると、2軒は同じタイミングで行く必要はありません。96B cafe & roasteryは朝8:00から営業しているため、Tân Địnhエリアを歩く日の最初の一杯にも使えます。タンディン教会やタンディン市場周辺と組み合わせれば、コーヒー一杯だけのために移動する必要もありません。
フィンそのものをさらに深く知りたいなら、96Bでは10:00~15:00の間でワークショップを事前調整できます。通常のカフェ利用とは別に時間を取る必要がありますが、豆の選び方から抽出まで体験したい人には分かりやすい選択肢です。
Lacàph Coffee Barは、ドンコイ通りを観光する日の休憩先として使いやすい店です。市民劇場、グエンフエ通り、サイゴン川など主要な観光エリアから近く、午前から午後の街歩きの途中に組み込めます。営業時間は9:00~18:30なので、夜のカフェとして考えるより、日中の観光中に立ち寄るほうが使いやすいでしょう。
ホーチミンの日中は暑いため、コーヒーショップを「目的地」にするだけでなく、観光の合間の休憩場所として考えることも大切です。フィンをその場で淹れてもらう場合は、注文してすぐ飲み終えるタイプのコーヒーではありません。時間に余裕のない移動直前より、少し座れるタイミングで入るほうが楽しみやすいでしょう。
「昔ながら」だけではない。今のホーチミンで飲むフィン
フィンコーヒーを紹介するとき、「昔ながら」「懐かしい」「ローカル」という言葉だけで説明してしまうことがあります。しかし、今回の2軒を見ると、それだけでは現在のホーチミンのコーヒー文化を説明しきれません。
96B cafe & roasteryでは、フィンという伝統的な道具を使いながら、Liberica/Excelsa、Fine Robusta、Arabicaなどベトナム産のさまざまな豆を扱い、レシピや焙煎、教育まで含めてコーヒーを考えています。Lacàph Coffee Barでは、Robustaを中心にしたPhin Blendを軸に、ブラックや練乳入りといった基本の一杯から、ココナッツやレモネードなど現代的なアレンジまで広げています。
つまり、フィンは「昔の淹れ方がそのまま残っている」というだけではありません。使う豆や焙煎、店の考え方を変えながら、現在のホーチミンでも使われ続けている抽出方法の一つです。
旅行中は、つい有名なカフェや写真映えする店を続けて回りたくなります。それでも一度くらい、フィンの上からお湯を注ぎ、コーヒーが落ちていく時間まで含めて一杯を飲んでみる。少し待ってから飲むと、いつものカフェスアダーとは違ったところから、ベトナムコーヒーが見えてきます。
※価格、営業時間、メニュー、抽出方法は変更される場合があります。本記事の96Bの情報は2026年10月、Lacàph Coffee Barの営業時間・所在地は2026年10月、ドリンク価格は2026年6月の店頭メニューを基準に確認しています。訪問時には各店舗の最新案内をご確認ください。
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