ベトナムのビールは、北部のハノイビール、中部のフーダとラルー、南部の333とサイゴンビールを押さえると、売り場で選びやすくなります。多くはラガーですが、街の食堂で飲むビアホイや、香りを楽しむクラフトビールもあります。まずは地域と醸造元の関係を知って、旅先の一杯を選んでみましょう。
この記事では、代表的なベトナムビールの種類を、表記・読み方・アルコール度数・購入先・価格とともに紹介します。「333とサイゴンビールは何が違う?」「ビールに氷を入れてもいい?」という疑問にも答えます。
ベトナムビールの銘柄を、地域と醸造元で整理する
地域別の分類は、その銘柄が育ってきた土地を知るための手がかりです。北部のビールを南部で買うこともできるので、販売エリアがきっちり分かれているわけではありません。
| ゆかりのある地域 | 代表的な銘柄・種類 | 醸造元 |
|---|---|---|
| 北部・ハノイ | Bia Hà Nội、Bia Hơi Hà Nội | HABECO |
| 中部・フエ | Huda | Carlsberg Vietnam |
| 中部・ダナン | Larue | HEINEKEN Vietnam |
| 南部・ホーチミン | 333、Bia Saigon | SABECO |
| ホーチミン発のクラフトビール | Jasmine IPAなど | Pasteur Street |
もう一つ覚えておきたいのは、銘柄と醸造元の違い。同じ会社が複数のブランドを造っていることがあります。例えば333とBia Saigonは、ともにSABECOの商品。ラルーはベトナムで生まれた銘柄ですが、現在の醸造元はHEINEKEN Vietnamです。
以下の価格は、2026年10月5日に確認したオンライン販売価格です。Co.op Onlineなどの小売価格を使い、箱売りの商品は1本あたりに換算しています。飲食店のメニュー価格とは異なり、店舗・配達地域・キャンペーンで変わります。読み方のカタカナは、注文するときの目安として使ってください。
北部のビール|ハノイビールと、街で楽しむビアホイ
ハノイビール|Bia Hà Nội
- 読み方:ビア・ハノイ
- 醸造元:HABECO
- 度数・容量:4.6%・330ml缶
- 参考価格:1缶あたり約12,700ドン。24缶入り305,000ドンからの換算で、単品販売価格ではありません。
名前のとおり、ハノイと結びつきの深い定番ビールです。北部を旅行するなら、食事と一緒に選ぶ一本として覚えておくと便利。購入先を探すときは、スーパーのビール売り場やHABECOの販売サイトで「Bia Hà Nội」の表記を確認しましょう。
気をつけたいのは、缶と瓶で度数が違うこと。ここで紹介する330ml缶は4.6%ですが、メーカーが案内する450ml瓶は4.4%です。また、Hanoi PremiumやHanoi Boldも別の商品。「ハノイビールだから全部同じ」と考えず、容量と商品名まで見ると取り違えを防げます。
ビアホイ|Bia hơi/Bia Hơi Hà Nội
- 読み方:ビア・ホイ/ビア・ホイ・ハノイ
- 醸造元:Bia Hơi Hà NộiはHABECO。一般的な「bia hơi」は一社だけの銘柄ではありません。
- 度数・容量:HABECOのKeg 1L商品は4.3%・1L
- 参考価格:1Lのkegあたり50,000ドン。12個入り600,000ドンからの換算です。
ビアホイは、缶ビールを一本選ぶ感覚とは少し違います。旅の楽しみになるのは、店で注がれるビールを一杯ずつ飲む時間。ハノイ旧市街のターヒエン通り周辺は、ベトナム観光当局もビアホイを楽しめるエリアとして紹介しています。
ただし、「ビアホイ」という言葉だけでは、醸造元や度数までは決まりません。上の4.3%と50,000ドンは、HABECOの特定の1L商品についての情報です。食堂のグラス一杯の価格ではないので、注文前にメニューの値段と量を確認してください。
ホーチミン向けの配送商品も販売されていますが、ビアホイを旅先の雰囲気ごと楽しむなら、まずは北部の店で一杯。店頭で樽から注がれるビールと、持ち帰り用の缶・kegを区別して選ぶと分かりやすくなります。
中部のビール|フエのフーダ、ダナンのラルー
フーダ|Huda
- 読み方:フーダ
- 醸造元:Carlsberg Vietnam
- 度数・容量:4.7%・330ml缶
- 参考価格:1缶12,600ドン(Co.op Online)
フエにゆかりのあるラガーで、1990年に誕生しました。Hudaという名前は、Hueと、ベトナム語でデンマークを表すDanmachを組み合わせたもの。ラベルの名前から、中部の土地と醸造の背景が見えてくる一本です。
フエへの旅なら、飲食店のメニューでHudaを探してみましょう。ホーチミンでもCo.op Onlineに330ml缶の掲載があり、中部へ行く前に試す候補になります。ただしオンライン掲載と各店舗の在庫は別なので、売り場で見つからない場合は店員に商品名を見せるのが確実です。
売り場にはHuda Goldという別の商品もあります。この記事の価格は通常のHudaのもの。缶の色だけで判断せず、正面の商品名を確認してください。
ラルー|Larue
- 読み方:ラルー
- 醸造元:HEINEKEN Vietnam
- 度数・容量:4.2%・330ml缶(通常のLarue)
- 参考価格:1缶12,300ドン(Co.op Online)
ラルーは1909年にダナンで生まれた銘柄です。中部のビールを知るなら、フーダと並べて覚えておきたい名前。虎を描いたラベルが目印ですが、Tigerとは別のブランドなので、缶の「Larue」の文字まで見て選びましょう。
こちらもCo.op Onlineで330ml缶の掲載を確認できます。ダナン旅行中は、食堂やレストランのメニューにあるかを聞いてみると、その土地とビールのつながりを楽しめます。
通常のLarueは4.2%、Larue Specialは4.6%と、商品によって度数が異なります。度数を抑えた一本から選びたい場合は、ここで紹介する通常のLarueが候補。ただし、飲みやすさとアルコール度数は同じ意味ではありません。
南部のビール|333とサイゴンビールは何が違う?
ホーチミンでまず押さえたいのが、333とBia Saigonです。どちらもSABECOの商品ですが、名前だけでなく、ラインごとの度数や製法にも違いがあります。サイゴンビールには複数の商品があるため、「333とサイゴンのどちらが強い?」と比べるなら、LagerかSpecialかも確認しましょう。
333|Bia 333 Nguyên Bản
- 読み方:バーバーバー。Nguyên Bảnはグエン・バンが目安です。
- 醸造元:SABECO
- 度数・容量:5.3%・330ml缶
- 参考価格:1缶12,900ドン(Co.op Online)
数字が三つ並んだラベルは、ベトナムのビール売り場で覚えやすい目印。「333」は、数字の3をベトナム語で三回読むと、バーバーバーになります。初めて注文するときは、読み方と一緒に缶の画像を見せても伝えやすいでしょう。
この通常タイプの度数は5.3%。同じ330mlで比べると、サイゴン・ラガーの4.3%より高くなります。どちらも手頃な小売価格なので、二本を別の日に選び、好みの一本を見つける入り口にできます。
購入候補はスーパーやコンビニのビール売り場。Co.op Onlineでも単品の掲載があります。なお、333 Pilsnerは別商品なので、「333」の数字だけで同じ価格・度数だと思い込まないようにしましょう。
サイゴン・ラガー|Bia Saigon Lager
- 読み方:ビア・サイゴン・ラガー
- 醸造元:SABECO
- 度数・容量:4.3%・330ml缶
- 参考価格:1缶12,400ドン(Co.op Online)
「サイゴンビールを飲んでみたい」と思ったら、まず候補にしたい通常のラガーです。メーカーは、友人との食事や自宅で楽しむ、親しみやすい味わいの商品として案内しています。
古い紹介記事では別の度数が載っていることもありますが、現在のSABECO公式ページでは4.3%。買うときは手元の缶・瓶の表示を優先してください。330ml缶のほかに瓶の商品もあるので、飲食店ではサイズも一緒に確認すると安心です。
Co.op Onlineに掲載があり、スーパーやコンビニで探す際は「Lager」の文字が目印。同じSaigonの名前でも、SpecialやChillを取れば別の商品になります。
サイゴン・スペシャル|Bia Saigon Special
- 読み方:ビア・サイゴン・スペシャル
- 醸造元:SABECO
- 度数・容量:4.9%・330ml缶
- 参考価格:1缶15,800ドン(Co.op Online)
サイゴン・ラガーからもう一本選ぶなら、Specialを比べてみましょう。メーカーはYakima産ホップを使用し、ドライホッピングによって香りを引き出す製法を紹介しています。名前にSpecialが付く理由を、度数だけでなく香りの作り方からも知ることができます。
通常のLagerより小売価格が高いものの、330ml缶なら一本ずつ選びやすいサイズ。スーパーで購入する場合はCo.op Onlineの掲載価格を目安にし、飲食店ではメニューに「Saigon Special」と書かれているか確認してください。
333は5.3%、Lagerは4.3%、Specialは4.9%。まずこの三つを覚えるだけでも、ホーチミンで「いつものビール」を見つけやすくなります。
ベトナムの地ビール・クラフトビール|香りから選ぶ楽しみ
スーパーの定番ラガーから少し選択肢を広げたいなら、クラフトビールも候補です。ベトナム語では「bia thủ công」(ビア・トゥー・コン)。IPAやペールエールなどスタイルで選ぶため、「ベトナムの地ビールは全部こんな味」と一括りにはできません。
パスツールストリート・ジャスミンIPA|Pasteur Street Jasmine IPA
- 読み方:パスツールストリート・ジャスミン・アイピーエー
- 醸造元:Pasteur Street
- 度数:6.5%
- 参考価格:1缶85,000ドン(The Bottle Shop掲載。容量は購入時に確認)
ホーチミン発の醸造元によるIPAです。公式の商品紹介では、ジャスミンの花とホップによる、花や柑橘の香りが特徴として挙げられています。ビールを「すっきりしているか」だけで選んでいた人にも、香りという別の入口を教えてくれる一本です。
公式表示のIBUは50。これは苦味の指標で、アルコール度数とは別の数値です。ラガーより高い6.5%という度数も踏まえ、タップルームでは提供量を見て注文しましょう。
飲むならPasteur Streetのタップルーム、缶を探すならクラフトビール専門店が候補です。所在地は公式サイトで確認し、The Bottle Shopでは缶商品の販売ページを参照できます。一般的なラガーより予算が上がるので、食事の一杯と、ビール自体を楽しむ一杯で選び分けてもよいでしょう。
ほかの醸造元も知りたい方は、ホーチミンのクラフトビール紹介へ。過去の紹介記事なので、営業状況やメニューは各店の最新案内を確認してください。
ビールに氷を入れる?注文と乾杯で覚えておきたいこと
氷入りでも、氷なしでも好みに合わせて
ベトナムでは、グラスに氷を入れてビールを飲む習慣があります。2019年のQ&Me調査では、暑さやビールを冷たく保ちたい気持ちが、氷を使う理由として挙がっています。外の席で食事をする場面なら、冷たさを保つ工夫として理解すると自然です。
氷が溶けると味は薄まるので、ビールの香りや味をそのまま楽しみたい場合は、冷えた缶・瓶と氷なしのグラスを頼みましょう。周りが氷を使っていても、同じように飲む必要はありません。
- 氷なし:Không đá(コン・ダー)
- 冷たいビール:Bia lạnh(ビア・ライン)
なお、氷で薄まっても、注いだビールに含まれるアルコールの量が減るわけではありません。冷たく飲みやすくなった分、注文した本数も意識して楽しみましょう。
「モッ・ハイ・バー・ゾー」で乾杯
ベトナムの乾杯で覚えておきたいのが、「Một, hai, ba, dô!」。読み方は「モッ・ハイ・バー・ゾー!」が目安で、一、二、三と数えて声を合わせます。言葉を一つ知っているだけでも、食事の席に加わりやすくなります。
声を合わせたあとも、飲む量は自分のペースで。掛け声の意味や使い方は、ベトナムの乾杯「モッ・ハイ・バー・ゾー」で紹介しています。
旅先で選ぶ一本と、2026年のオクトーバーフェスト
ホーチミンで定番から試すなら333やサイゴン・ラガー。フエとダナンではフーダとラルー、ハノイではハノイビールや店で注がれるビアホイ。香りを軸に選ぶなら、クラフトビールのタップルームへ。土地と飲む場所を合わせると、ビール選びも旅の一部になります。
2026年のGBAオクトーバーフェストは、ホーチミンでは9月24〜26日に開催され、この記事の公開時点では終了しています。「オクトーバー」という名前でも開催月は都市によって異なるので、10月の旅行予定にそのまま入れないようにしましょう。
開催内容はオクトーバーフェスト2026の紹介記事で確認できます。
持ち帰るビールを選ぶ場合は、缶の容量と賞味期限も確認を。ベトナムのビールと持ち帰りに関する過去記事もありますが、持ち込み条件や荷物の扱いは、出発時点の税関・航空会社の案内を確認してください。
情報確認日:2026年10月5日。度数はメーカー公表値、価格はオンライン掲載値です。商品の仕様変更や店舗ごとの差があるため、購入・注文時はラベルとメニューを優先してください。


