ベトナムの昼の街を歩いていると、店の前の椅子や仕事場の隅で、横になっている人を見かけることがあります。ハンモックに横になっている人もいれば、椅子に座ったまま目を閉じている人もいます。昼食を食べたあと、そのまま少し眠ってから仕事に戻る人もいます。
初めてこの光景を見る日本人にとっては、「昼間なのに、どうして寝ているの?」と不思議に感じるかもしれません。日本でも昼休みに少し目を閉じる人はいますが、店先や仕事場で横になっている姿を街中で見る機会は、私が日本で生活していたときより多く感じます。私自身も、ホーチミン市で生活し始めたころ、昼食の時間に店の前の椅子や仕事場の隅で休んでいる人を何度も見かけ、不思議に思っていました。
ところが、生活しているうちに、こうした風景にも少しずつ慣れていきました。昼食を終えたあと、そのまま椅子に座って目を閉じたり、店の奥で横になったりしている人もいます。昼食のあとに少し休み、また午後の仕事に戻る姿は、私がホーチミン市で生活する中で何度も見てきた昼の風景の一つです。
ベトナムでは昼に休む人が多い
私がホーチミン市で生活する中で特に印象に残っているのは、昼食の時間に店の前や仕事場で休んでいる人の姿です。食事をしたあと、そのまま椅子に座って目を閉じている人もいれば、店の奥や仕事場の一角で横になっている人もいます。ここで紹介しているのは、ベトナム全体の統計ではなく、私がホーチミン市で日常生活を送る中で見てきた範囲での印象です。
最初にこうした光景を見たときは、「昼休みでも、ここで寝るのだ」と少し驚きました。特に、店の前の椅子など、普段から使っている場所でそのまま休んでいる姿が印象に残っています。日本にいたころとの違いを感じたのも、こうした昼の過ごし方を身近に見る機会があったからです。
その後も生活を続けていると、昼の休み方にはいろいろあることが分かりました。少し横になって眠る人もいれば、椅子に座って目を閉じるだけの人もいます。食事をしたあとにそのまま仕事へ戻る人もいて、私が見てきた範囲でも、すべての人が昼寝をしているわけではありません。
そのため、「ベトナムでは昼になったらみんなが寝る」と考えるより、昼の休憩中に眠る人もいる、と考えたほうが実際の様子に近いでしょう。少なくとも私がホーチミン市で見てきた範囲では、昼寝をする人と、眠らずに休む人の両方がいます。昼の時間をどう過ごすかは、その人の仕事やその日の予定によっても変わります。
ホーチミンの暑さも関係している
ホーチミン市で昼に休んでいる人を見かけると、その背景の一つとして、日中の暑さも考えられます。ベトナム政府観光局によると、ホーチミン市を含む南部では5月から11月にかけて暑く湿った時期が続き、午後に雨が降ることもあります。12月から4月は晴れた日が多いものの、日中は暑くなることがあります。
私自身、ホーチミン市で昼ごろに外を歩くと、朝よりも暑さを強く感じることがあります。少し歩いただけで汗をかくこともあり、特に予定が続いている日は、暑い中を歩き続けるより一度涼しい場所に入りたくなります。これは私自身が生活する中で感じていることで、昼寝をする人全員に当てはまるという意味ではありません。
以前、午前中の予定が終わってから午後の予定まで時間が空いたことがありました。昼ごはんを食べたあと、そのまま外を歩いていたのですが、昼の暑さで少し疲れたので、次の予定まで冷房の効いた場所に入って座っていました。水を飲みながら20分ほど休んでいると、外を歩いていたときよりも楽に感じました。
そのときは眠りませんでしたが、昼の暑い時間にいったん立ち止まって休むだけでも、その後の予定が過ごしやすく感じました。私の場合は「眠る」よりも「涼しい場所で休む」ことが目的でしたが、昼に休んでいる人の中には、そのまま少し眠る人もいます。暑い時間帯にどのように過ごすかは、人によって違います。
旅行中にホーチミン市を歩く場合も、暑さが強い日は無理に外を歩き続けず、冷房の効いた場所で休憩をはさむと動きやすくなります。ただし、暑さだけで昼寝を説明することはできません。昼に休む理由は人によって異なり、暑さはその背景の一つとして考えるのがよいでしょう。
ベトナム政府観光局:Weather and climate in Vietnam
昼休みと昼寝は、同じではありません
「ベトナムでは昼寝をする」という話を聞くと、昼休みになると多くの人が眠るように思うかもしれません。しかし、昼休みの過ごし方は人それぞれです。食事をしてすぐ仕事に戻る人もいれば、同僚と話したり、スマートフォンを見たり、椅子に座って休んだりする人もいます。
ベトナムの労働法では、勤務中の休憩について具体的に定められています。2026年2月12日付の文書合一版「18/VBHN-VPQH」の第109条では、1日の勤務時間が6時間以上の場合、少なくとも30分の連続した休憩が必要とされています。夜間勤務の場合は、少なくとも45分の連続した休憩が必要です。
ここで法律が定めているのは、勤務中に取る休憩の時間です。昼寝をすること自体を義務づけているわけではありません。また、この規定は「昼休みに30分休む」という意味だけを定めたものでもありません。仕事中の休憩時間についての規定であり、その時間を眠って過ごすか、食事や会話などに使うかは別の話です。
私がホーチミン市で見てきた昼の風景でも、休憩の取り方は一様ではありませんでした。店の前の椅子で目を閉じている人もいれば、横になっている人、食事を終えてそのまま仕事へ戻る人もいます。昼休みという同じ時間でも、実際の過ごし方には違いがあります。
ベトナムの昼寝については、VnExpress Internationalでも取り上げられています。記事では、ベトナムで働く外国人が、昼休みに同僚が眠っている姿を見た経験が紹介されています。外国から来た人にとって、仕事場で昼に眠る姿が印象に残ることがあると分かる一例です。
私も最初は「昼に仕事場で寝る」ということ自体が少し不思議でした。ただ、ホーチミン市で生活して実際に昼の街を見ていると、眠る人だけでなく、それぞれの方法で休んでいる人がいることが分かりました。昼寝だけを特別な習慣として考えるより、昼休みの過ごし方の一つとして見るほうが、私が日常で見てきた様子には近いと感じています。
ベトナム政府:Văn bản hợp nhất số 18/VBHN-VPQH「Bộ luật lao động」
VnExpress International:Vietnamese siesta culture opens foreigners' eyes
昼に眠るのは、特別なことではありません
ホーチミン市で私が見てきた昼の風景には、昼休みに眠っている人もいれば、椅子に座って休んでいる人、食事を終えて仕事に戻る人もいます。昼寝をするかどうかは人それぞれで、同じ昼休みでも過ごし方には違いがあります。少なくとも私が日常生活の中で見てきた範囲では、昼に少し休む姿は珍しいものではありません。
旅行中に昼の街を歩いていると、店先や仕事場で誰かが眠っている場面に出会うことがあるかもしれません。日本とは少し違う光景に見えても、ホーチミン市で生活していると、昼食のあとに少し休んでから午後の仕事に戻る人の姿を目にすることがあります。私自身も、最初は不思議に感じたこの風景を、今ではホーチミン市の日常の一場面として見るようになりました。
参照:ベトナム政府観光局「Weather and climate in Vietnam」/ベトナム政府「Văn bản合一版18/VBHN-VPQH」/VnExpress International「Vietnamese siesta culture opens foreigners' eyes」
※法令・気候情報は2026年11月6日時点で公式情報を確認しています。

