日本では、7月から8月にかけて「夏休み」の時期を迎えます。子どもたちは長い夏休みに入り、大人もお盆休みを利用して実家に帰省したり、家族旅行をしたりする人が多くいます。そのため、夏にベトナム旅行を計画している日本人の中には、「ベトナムにも日本と同じような夏休みがあるの?」「8月になると、ベトナムの人たちもみんな仕事を休むの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、ベトナムにも子どもたちの「夏休み」はありますが、大人の休み方は日本とはかなり異なります。ベトナムの学校では、一般的に5月末から6月頃に1年間の授業を終え、その後、夏休みに入ります。そして、新しい学年はおおむね9月頃から始まります。一方、大人には全国共通の「夏休み」はなく、基本的には普段どおり仕事をし、旅行や帰省をしたい場合は、自分の年次有給休暇などを利用します。
では、ベトナムの夏は実際にどのように過ごされているのでしょうか?ここからは、HCMCGUIDEのベトナム人スタッフの生活や経験も交えながら、子どもたちの夏休み、大人の休暇の取り方、帰省の習慣、そして日本のお盆との違いについて紹介します。夏にベトナムを訪れる予定の方は、ぜひ旅行前に知っておきたいポイントとしてチェックしてみてください。
ベトナムの子どもたちにも夏休みがあります
まず、ベトナムの子どもたちにも、日本の子どもたちと同じように夏休みがあります。ただし、具体的な休みの時期は、地域や年度によって異なる場合があります。例えばホーチミン市では、2025~2026年度の学校教育計画において、各学校が2026年5月31日までに年度を終了することになっています。その後、子どもたちは夏休みに入り、新しい学年に向けて準備をします。そのため、6月から8月頃にホーチミン市を訪れると、学校に通わず夏休みを過ごしている子どもたちを見かけることがあります。
ベトナムの子どもたちにとっても、夏休みは一年の中で楽しみにしている時期の一つです。学校がない分、友達と遊んだり、家族と過ごしたり、普段とは違う活動をしたりする時間が増えます。ベトナム人にとって、子どもの頃の夏休みというと、友達と遊んだ思い出や家族と過ごした時間、祖父母や親戚のいる故郷へ帰った思い出などを思い浮かべる人も少なくありません。この点では、日本の夏休みと似ている部分もあります。
ただし、ここで日本人旅行者にぜひ知っておいてほしいポイントがあります。それは、「子どもが夏休みだからといって、家族全員が休みになるわけではない」ということです。子どもたちは学校のスケジュールに合わせて休みますが、両親は普段どおり仕事を続ける場合が多くあります。そのため、夏休みの期間に家族全員で長期間旅行するとは限りません。つまり、ベトナムでいう「夏休み」は、基本的には子どもたちの休みであり、日本のように社会全体が夏休みモードになるわけではないのです。
8月のベトナムは街全体が休みになる?
日本人旅行者にとって、特に気になるのがこの点ではないでしょうか。
日本では8月になると夏休みやお盆休みの時期と重なり、多くの人が帰省や旅行をします。では、ベトナムでも8月になると、街全体が「夏休み」になるのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
ホーチミン市、ハノイ、ダナンなどの大都市では、大人たちは基本的に普段どおり仕事をしています。会社やお店、レストラン、カフェなども、子どもたちが夏休みに入ったからといって一斉に休業するわけではありません。観光客向けのホテルや観光施設なども、通常どおり営業しているところが多いため、7月や8月にベトナムを旅行しても、街の機能が止まってしまうような心配はありません。
一方で、夏はベトナム人にとっても旅行シーズンの一つです。家族や友人と旅行するために有給休暇を利用する人も多く、週末や連休には人気の観光地が混雑することがあります。そのため、夏に有名な観光地を訪れる場合は、ホテルや航空券、移動手段などを早めに予約しておくと安心です。つまり、ベトナムには「夏の旅行シーズン」はありますが、日本のように社会全体が一斉に休む「夏休み」はありません。
8月末は故郷へ帰る人が増え、長距離バスも混雑しやすい
2026年8月末には、ベトナム国内で故郷へ帰省する人や旅行者が増えるため、ホーチミン市から各地方へ向かう長距離バスの利用者も増えることが予想されています。
特に2026年のベトナムの建国記念日(9月2日)の休暇は、8月29日から9月2日までの5日間となります。そのため、休暇直前の8月28日・29日頃から、ホーチミン市の主要バスターミナルでは利用者が増えると見込まれています。
実際に、ホーチミン市のミエンタイ・バスターミナルでは、8月28日から9月2日までの6日間で27万8,000人を超える利用者と、約1万2,470便の運行が予測されています。特に8月29日は最も混雑する日とされ、1日あたり約7万人の利用者、約2,350便が見込まれています。
また、ミエンドン新バスターミナルでも、8月28日から9月2日までの6日間に約6万5,700人の利用者が見込まれており、2025年の同時期と比べて約10%増加すると予測されています。
このような需要の増加に対応するため、各バスターミナルでは運行会社に対して増便用の車両を準備するよう求めています。したがって、8月末にホーチミン市から故郷へ帰る予定がある場合は、特に8月28日から29日頃の混雑を考慮し、バスの予約や出発時間を早めに確認しておくと安心です。
参考:ホーチミン市人民委員会ポータル、ミエンドン新バスターミナル、Tiền Phong、Báo Xây dựngなどの2026年8月発表情報。
ベトナムにも日本のお盆のような休みはある?
日本人がベトナムの夏について考えるとき、もう一つ気になるのが「ベトナムにもお盆のような休みがあるの?」という疑問ではないでしょうか。
日本のお盆は、多くの人が故郷に帰省し、家族と過ごしたり、お墓参りをしたり、ご先祖様を供養したりする時期です。また、長期休暇を取る人も多いため、帰省や旅行による交通機関の混雑も、お盆の風物詩の一つとなっています。
ベトナムも家族や先祖を大切にする文化があり、故郷に帰って両親や祖父母、親戚と過ごす習慣があります。しかし、日本のお盆のように、夏の決まった時期に全国の多くの人が一斉に休む大型連休はありません。そのため、8月にベトナムを訪れても、日本のお盆のような特別な「帰省ラッシュ」や、社会全体が休暇ムードになる光景を見ることは基本的にありません。
ベトナムで「家族が集まって故郷に帰る」というイメージに近い時期を挙げるなら、旧正月の「テト」が分かりやすいでしょう。テトには、都市部で働いている人たちも故郷へ戻り、家族と一緒に新年を祝います。ただし、テトは旧暦に基づくベトナム独自の重要な行事であり、日本のお盆とまったく同じものではありません。
ベトナム人は夏に帰省する?
ベトナムの夏の暮らしを知るうえで、ぜひ知っておきたいのが「帰省」です。
ベトナムでは、地方の出身者がホーチミン市やハノイなどの大都市に移り住み、学校や会社に通っているケースが少なくありません。そのため、まとまった休みが取れると、旅行ではなく故郷へ帰り、両親や祖父母、親戚に会うという人もいます。
特に、子どもの頃に故郷で過ごした経験がある人にとって、夏休みと帰省は結びつきやすいものです。祖父母と一緒に食事をしたり、いとこと遊んだり、都会とは違うゆったりとした環境で過ごしたりすることは、ベトナム人にとって大切な夏の思い出になることがあります。そのため、帰省は単なる旅行というよりも、家族と時間を過ごすための大切な機会と考えられることもあります。
ただし、「夏だから必ず帰省する」というわけではありません。大人の場合、帰省する時期は仕事のスケジュールや取得できる休暇の日数によって変わります。夏に帰省する人もいれば、テトや祝日、仕事の都合が良い時期に帰省する人もいます。ベトナム人が「田舎に帰る」と話していたとしても、それが必ずしも日本でいう「夏休みの帰省」を意味するわけではないのです。
9月2日の連休前は、故郷へ帰る人が増える
ベトナムでは、夏休みとは別に、祝日や連休を利用して故郷へ帰省する人もいます。特に2026年は、ベトナムの建国記念日(9月2日)の休暇が8月29日から9月2日までの5日間となるため、この時期には帰省や国内旅行をする人が増えると予想されています。
そのため、休暇直前の8月28日・29日頃から、ホーチミン市の主要バスターミナルでは利用者が増えると見込まれています。
実際に、ホーチミン市のミエンタイ・バスターミナルでは、8月28日から9月2日までの6日間で27万8,000人を超える利用者と、約1万2,470便の運行が予測されています。
特に8月29日は最も混雑する日とされ、1日あたり約7万人の利用者、約2,350便が見込まれています。
また、ミエンドン新バスターミナルでも、8月28日から9月2日までの6日間に約6万5,700人の利用者が見込まれています。これは、2025年の同時期と比べて約10%増加すると予測されています。
このような需要の増加に対応するため、各バスターミナルでは運行会社に対して、増便用の車両を準備するよう求めています。
このように、ベトナムでは日本のお盆のように全国の人が一斉に夏休みを取るわけではありませんが、祝日の連休には帰省する人が増え、交通機関が混雑することがあります。
8月末から9月初めにホーチミン市から地方へ移動する予定がある場合は、特に8月28日・29日頃の混雑を考慮しておくと安心です。長距離バスを利用する場合は、できるだけ早めに予約し、出発時間や乗車場所なども事前に確認しておくことをおすすめします。
参考:
ホーチミン市人民委員会ポータル、ミエンドン新バスターミナル、Tiền Phong、Báo Xây dựngなどの2026年8月発表情報。
ベトナムの大人は夏にどうやって休む?
では、子どもたちが夏休みを過ごす一方で、大人はどのように休むのでしょうか?
基本的に、ベトナムの労働者には、全国共通の「夏休み」はありません。夏になったからといって、会社が一斉に休業したり、社員全員が決まった期間に休んだりするわけではありません。ベトナムの労働法では、一定の条件を満たす労働者には年次有給休暇が認められており、通常の労働条件で12か月勤務した場合、年間12日の有給休暇を取得できます。休暇を取る時期については、勤務先の規定や本人の予定などに応じて調整されます。
そのため、ベトナム人は「夏休み」を待つのではなく、必要に応じて有給休暇を使って旅行したり、故郷へ帰ったり、自宅でゆっくり過ごしたりします。週末と有給休暇を組み合わせて、数日間のまとまった休みを作る人もいます。このように、大人の休み方は比較的自由度がある一方、仕事の都合や会社の休暇制度によって左右される部分もあります。
この点は、日本のお盆と比べると分かりやすい違いです。日本では、お盆の時期に多くの人が同じタイミングで休み、帰省や旅行をするため、社会全体に「お盆休み」という雰囲気が生まれます。一方、ベトナムでは、大人が夏の同じ時期に一斉に休むという習慣はありません。そのため、7月や8月にホーチミン市を訪れても、「街全体が夏休み中」というわけではありません。会社もお店もレストランもカフェも基本的には営業しており、都市の日常生活は普段どおり続いています。
夏にベトナムを訪れる日本人が知っておきたいこと
ここまで見てきたように、夏にベトナムを訪れる日本人旅行者がまず覚えておきたいのは、「ベトナムにも夏休みはあるが、基本的には子どもたちの夏休みである」ということです。
6月から8月頃には学校が休みになるため、街中で学校に通っていない子どもたちを見かけることがあります。しかし、大人は基本的に普段どおり働いています。そのため、8月だからといって街全体が休業したり、レストランやカフェ、観光施設が一斉に閉まったりするわけではありません。夏のベトナム旅行も、基本的には通常どおり楽しむことができます。
一方で、夏はベトナム人にとって旅行や帰省のシーズンでもあります。特に週末や連休には、人気の観光地が国内旅行者で混雑することがあります。快適に旅行したい場合は、ホテルや交通機関、必要に応じて観光施設のチケットなどを事前に確認しておくと安心です。
つまり、「ベトナム人には夏休みがあるの?」という質問への一番シンプルな答えは、「子どもには夏休みがありますが、大人には日本のような全国共通の夏休みはありません」です。ベトナムには日本のお盆のような夏の一斉休暇もありませんが、人々は有給休暇などを利用して旅行したり、故郷へ帰ったり、家族との時間を楽しんだりしています。日本とは少し違うベトナムの「夏休み」。この違いを知っておくと、夏のベトナム旅行がより身近に感じられるかもしれません。
HCMCGUIDEスタッフが実際に感じた、ベトナムの夏休み
ベトナムの夏休みについて調べてみると、「子どもには夏休みがあるけれど、大人には日本のような夏休みがない」ということが分かります。
では、実際にホーチミンで生活しているベトナム人は、夏をどのように過ごしているのでしょうか。
HCMCGUIDEのベトナム人スタッフに話を聞いたところ、子どもの頃は、学校が休みになると友達と遊んだり、家族と過ごしたり、祖父母や親戚が住む故郷へ帰ったりすることがあったそうです。
一方、大人になってからは、「夏休みだから休む」という感覚ではなく、仕事の予定に合わせて有給休暇を取ることが多いとのことでした。旅行や帰省をする場合も、週末と有給休暇を組み合わせて数日間の休みを作るなど、それぞれの予定に合わせて調整しています。
また、2026年8月下旬にホーチミン市内で生活しているHCMCGUIDEスタッフにとって、8月は普段と大きく変わらない生活が続いています。会社では通常どおり仕事をし、仕事の合間にカフェへ行ったり、街中を移動したりしています。
そのため、8月にホーチミンを訪れる日本人旅行者も、「街全体が夏休みで閉まっているのでは?」と心配する必要は基本的にありません。カフェやレストラン、ショッピングモールなども通常どおり営業しているところが多く、普段と同じように観光を楽しめます。
ただし、週末や連休には旅行や帰省をするベトナム人が増えるため、人気の観光地や交通機関が混雑することがあります。実際に旅行を計画する際は、ホテルや交通手段を早めに確認しておくと安心です。
HCMCGUIDEスタッフの実体験から分かったこと
- 子どもの頃は、夏休みに家族や友達と過ごす時間が増えた
- 故郷に祖父母や親戚がいる場合、夏休みに帰省することもあった
- 大人になると、仕事に合わせて有給休暇を取る
- 8月でもホーチミンの街は基本的に通常どおり動いている
- 週末や連休は観光地が混雑することがある
※上記はHCMCGUIDEのベトナム人スタッフへの聞き取りと、2026年8月下旬のホーチミン市内での実際の生活・観察をもとにした内容です。
参考資料・公式情報
本記事では、以下の公的情報・法令および関連資料を主な参考資料として使用しています。
- ホーチミン市の2026~2027年度以降の学年時間計画
ホーチミン市人民委員会による学年時間計画。
公式掲載情報を見る - ホーチミン市の2025~2026年度の学年時間計画
2025~2026年度の教育計画を確認するための参考資料。 - 18/VBHN-VPQH「労働法」
2026年2月12日付の労働法に関する法令情報。
ベトナム政府電子法令データベースを見る - 2025~2026年度の児童・生徒および教員の夏休み日程
全国各地の2025~2026年度における児童・生徒および教員の夏休みの日程に関する参考情報。
Lao Độngの記事を見る
※学校年度、労働制度、行政上の規定などは変更される可能性があります。本記事では2026年8月28日時点で確認できる情報をもとに編集しています。旅行や長期滞在などで制度やスケジュールを確認する場合は、必ず最新の公式情報をご確認ください。


