カンボジアの在外公館で、パスポートに貼るビザシールの発給が2026年10月3日から停止されました。在大阪カンボディア王国名誉領事館が10月4日に発表したもので、今後は電子ビザ「e-Visa」への移行を案内しています。
日本人旅行者にとって大切なのは、今回の変更がビザの免除や、到着ビザの廃止を意味するものではないという点です。カンボジアへ観光に行く場合は、引き続き必要なビザを取得し、入国申告「e-Arrival」も別に確認しましょう。
日本国籍者はカンボジアのビザ免除対象には含まれていません。観光で入国する場合は、e-Visaや到着ビザなど、必要な査証を取得する必要があります。
10月3日から何が変わった?在外公館のビザ発給が電子化
大阪の名誉領事館によると、カンボジア外交・国際協力省(MFAIC)の通達に基づき、すべての在外公館で紙面ビザの発給が停止されました。変更の対象は、海外の大使館や領事館がパスポートに貼付していたビザシールです。
同館は、個人の旅行者と旅行代理店に対し、カンボジア政府の公式e-Visaサイトから申請するよう案内しています。大阪や福岡などの領事館窓口では、紙面ビザの申請・発給手続きができなくなりました。
今回の変更は、在外公館でパスポートに貼付する紙面ビザの発給が停止されたことを意味します。今後、オンラインで申請するe-Visaについては、カンボジア政府の公式e-Visaサイトを利用します。在外公館を利用する場合は、申請先の公館に最新の受付方法を確認してください。
出典:在大阪カンボディア王国名誉領事館の通知(2026年10月4日)
観光用e-Visaは30米ドル。処理日数は案内元を確認
一般的な短期観光で確認したいのは、観光ビザの「Visa T」です。公式e-Visaサイトのビザ種別案内では、次の条件が示されています。
- 申請料金:30米ドル
- 入国回数:1回
- 有効期間:発給日から3か月
- 滞在期間:1か月(ANAの渡航案内では30日と表記)
- 標準処理日数:3営業日
「発給日から3か月」は、3か月間滞在できるという意味ではありません。ビザの有効期間と、入国後に認められる滞在期間を分けて確認してください。
ただし、今回の大阪の名誉領事館の通知では、申請に5~7営業日を要すると案内されています。これは同館の通知に記載された目安であり、すべてのe-Visa申請に共通する標準日数として扱うことはできません。
申請先や案内の時点によって日数の記載が異なるため、「3営業日なら出発に間に合う」と決めつけず、余裕を持って手続きしましょう。日数は承認を保証するものではありません。申請時の最新表示を確認し、出発前にビザが発給されていることまで確かめてください。
参考:公式e-Visaのビザ種別案内/ANAのカンボジア渡航情報(2026年2月26日時点)
到着ビザは廃止されていない
今回の通知は、在外公館でのビザシール発給に関するものです。カンボジア到着時に取得する「Visa on Arrival(到着ビザ)」の廃止を告知したものではありません。
在カンボジア日本国大使館の2026年6月24日付案内では、到着ビザは国内の国際空港などで引き続き申請できるとされています。事前にe-Visaを取得する方法と到着ビザの両方を利用する必要はなく、いずれか一方のビザを取得します。
ただし、到着ビザを利用できるかは、渡航者の条件や入国地点によって確認が必要です。利用を予定している空港・国境での最新の運用を、出発前にカンボジア当局へ確認しましょう。
e-Visaとe-Arrivalは別の手続き
名前が似ているため混同しやすいのが、「e-Visa」と「Cambodia e-Arrival」です。役割は次のように異なります。
- e-Visa:事前に申請して取得する電子ビザ。ビザの種類に応じた料金がかかります。
- e-Arrival:入国カード、税関申告、健康申告などに当たる電子入国申告。登録自体は無料です。
空路で入国する旅行者は、e-Visaを取得済みでも、到着ビザを利用する予定でも、e-Arrivalの提出を別に行います。e-Arrivalの登録だけでは、ビザを取得したことになりません。
日本大使館の案内では、e-Arrivalは入国日の7日前から、または空港到着時にオンラインで提出できます。旅行の準備として、到着前に公式e-Arrivalサイトで手続きを済ませておくとよいでしょう。
入国後の「v-Pass」もビザとは別
「v-Pass(Visitor Pass)」は、入国後に発行される電子化された滞在資格証明書です。日本大使館は、e-Arrivalに登録したメールアドレスへPDFが送られると案内しています。ホテルなどで提示できるよう保存しておきましょう。これも、事前に取得するビザとは役割が異なります。
出典:在カンボジア日本国大使館「e-Arrival・e-Visa・v-Passの違いと注意事項」(2026年6月24日)
ホーチミンから行く場合も、入国地点を先に確認
ベトナムに滞在している日本人がカンボジアへ旅行する場合も、日本のパスポートを持つ旅行者として入国条件を確認します。出発地がベトナムであることを、ビザ免除の根拠にしないでください。
飛行機で行く場合は到着空港、バスなどの陸路で行く場合は通過する国境を、ビザ申請前に確認しましょう。現在、公式e-Visaサイトでは、テチョー国際空港、シェムリアップ・アンコール国際空港、シアヌークビル国際空港のほか、陸路のバベット(Bavet)とトラペアン・クレアル(Tropaeng Kreal)がe-Visaの対応入国地点として案内されています。一方、チャムイェーム(Cham Yeam)とポイペト(Poipet)では、e-Visaによる入国が一時的に利用できないと案内されています。
特にホーチミンからバスなどでカンボジアへ向かう場合は、ベトナムとの国境にあるバベット(Bavet)を利用するケースがあります。利用する入国地点の最新の対応状況を、e-Visa申請前に公式サイトで確認してください。
陸路・海路については、空港向けの案内をそのまま当てはめず、利用する入国地点の当局や交通事業者に最新の手続きを確認してください。特にe-Visaは、申請時に公式サイトの対応入国地点を確認する必要があります。
申請は公式サイトへ。代行料金との違いにも注意
申請には、パスポート情報、デジタルの証明写真、支払いに使うカードなどを用意します。公式サイトのVisa T案内では、入国時にパスポートの残存有効期間が6か月を超えていることも条件に挙げられています。入力前に、有効期限を確認しておきましょう。
公式サイトのURLは、e-Visaが「www.evisa.gov.kh」、e-Arrivalが「arrival.gov.kh」です。日本大使館は、公式サイトを装ったページや、ビザ申請に事務手数料を上乗せする民間の代行サイトについて注意を呼びかけています。
代行サービスを利用する場合は、政府のビザ料金と代行手数料を分けて確認してください。e-Arrivalの登録自体は無料です。支払い前に、どの手続きに対して、誰に料金を払うのかを確かめましょう。
出典:在カンボジア日本国大使館「Cambodia e-Arrival等に関する注意喚起」
8月から続く電子ビザ制度の更新
カンボジアでは、2026年8月にもe-Visaシステムが更新されています。在バッタンバン・ベトナム総領事館は、カンボジア側の発表に基づき、2026年8月1日から新しいe-Visaシステムが運用されていると案内しました。
同通知では、外交・公用・儀礼目的のA・B・Cビザにも電子申請が拡大されたことと、発給されるe-Visaの認証コードが従来のバーコードからQRコードへ変更されたことが説明されています。これは、観光用のVisa Tが免除されるという変更ではありません。
出典:在バッタンバン・ベトナム総領事館の通知(2026年8月11日)
出発前に確認したい5項目
- 旅行目的に合ったビザの種類を選んでいるか。
- 利用する空港・国境が、取得予定のビザに対応しているか。
- e-Visaを申請した場合、申請受付だけでなく発給まで確認したか。
- e-Arrivalなど、入国地点で必要な申告を確認したか。
- パスポートの有効期限と、ビザ・申告の氏名や旅券番号が正しいか。
今回の変更で、日本から紙面ビザを申請する予定だった方は、申請方法を見直す必要があります。旅行日程と入国地点を決めたら、公式サイトまたは申請先のカンボジア公館で、必要な手続きを確認してください。
最終確認日:2026年10月6日。この記事は、日本の一般旅券を持つ短期観光客を主な対象としています。入国条件、料金、処理日数、対応入国地点は変更される場合があるため、渡航前に最新の公式案内をご確認ください。


