【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

日本語でOK!
かんたんウェブ予約はこちらから

テーブルを予約する

2023年5月16日更新

みなさん、今話題の「チルタウン」をご存知でしょうか。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

「チルタウン(Chill Town)」は、東京のネオン街を模した看板が並ぶ居酒屋で、2019年末に、ホーチミン・トゥードゥック区にオープンしました。

2020年6中旬、このお店の様子を私のTwitter(https://twitter.com/RayShibusawa/)でツイートしたところ、なんと、8万いいね、3.2リツイートの大バズとなり、数々のネットニュースや日本のテレビで紹介されるほどの話題となりました

そんな「チルタウン」が、誰によって、どんな経緯でできたか、気になりませんか?

今回は、「チルタウン」のオーナー、クオック・カインさんに取材し、このお店を作った経緯やこだわりのポイントについて伺ってきました。

なお、「チルタウン」の基礎情報についてはこちらの記事をまずご覧ください☟☟

【週末特集】ホーチミンに歌舞伎町が登場?! 話題の居酒屋「チルタウン」へ行ってみた

【週末特集】ホーチミンに歌舞伎町が登場?! 話題の居酒屋「チルタウン」へ行ってみた

「チルタウン(Chill Town)」って? みなさん、ホーチミンの若者に今話題の「チルタウン」をご存知でしょうか。...

どうして日本の街を?

以下、インタビューの様子です。

――こんにちは。SNSをきっかけに、日本では「チルタウン」が大変な話題になっています。私がチルタウンを紹介したツイートにも、日本人から多くの「行きたい」というリプライが寄せられています。この日本人の反応についてどう思われますか?

とてもびっくりしました。そして、すごくうれしいです。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

(オーナーのクオック・カインさん)

――どうしてこのお店を作ったのでしょうか。

ベトナムには、外国の街をコンセプトにしたお店がいくつかあります。たとえば、2019年中ごろにオープンした、ホーチミン一区のバックパッカー街にある「ロストインホンコン」というお店は、香港の繁華街がモチーフになっていますね。そのようなお店の日本版を作るために、約三ヶ月準備しました。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

(「ロストインホンコン」の様子。確かにコンセプトは似ていますが、後発のチルタウンの方が手が込んでいるし、郊外のため規模も大きいです)

――どうして、外国の他の街ではなく日本をモチーフに選んだのでしょうか。

日本をコンセプトにしたものがまだ無かったためです。

――オーナーは日本へ行ったことがありますか。

私はありません。でも。もう一人のオーナーは、一週間の日本取材を二回行い、歌舞伎町の写真を撮ってきました。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

――オーナーは日本語が分かりますか?

分かりません……。

(オーナーは日本へ行ったことが無く、日本語も分からないため、歌舞伎町の名前を思い出せなくて「きぼ……かぼ……」と言っている様子がかわいかったです)

ヘンテコ日本語は、天然?

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

――「チルタウン」のオープンに携わった人の中に、日本人はいますか?

いません。全部ベトナム人です。

――そうなんですか! 日本のネットでは「絶対に日本人が意図して作っている」などの憶測が流れていました。この、ヘンテコな日本語が並ぶ内装はどういう経緯で出来上がったのでしょうか。

まず、もう一人のオーナーが撮ってきた写真をもとに、デザイナーに発注しました。そうしたら、そのデザイナーも日本語が分からないため、看板が反転したり、Google翻訳を使った日本語が間違ったりしていました。私はそれをチェックしたのですが、間違ったままの方が、お客さんが話のネタにして盛り上がってくれると思い、このままにしました。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

(ここが最も気になっていた所ですが、詳しく突き止めるには、もう一人のオーナーと、デザイナーさんにも話を聞く必要があると思います……どうやら、当初から間違ったものを作る気はなかったようです)

――お客さんはベトナム人をメインに想定してると思いますが、看板を逆さにしたり、読めないひらがなを入れてありますね。こんなことをしても日本語が分からない人は気付かないと思いますが……

たしかにそうですが、ホーチミンには日本語学習者が多くいますし、日本人在住者も多いです。だから「この看板まちがってるよね!」などと言って話が盛り上がるといいなと思って、そのままにしました。

――なるほど。お客さんとしてはどんな層を想定しているのでしょうか。

ホーチミンの若い人全てです。

――どうして一区などの中心街に作らなかったのでしょうか。

一区には、本物の日本人街(レタントン)がありますから(笑)。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

(ホーチミン一区レタントン通りにある日本人街の様子)

それに、このお店の繁盛ぶりを見て頂ければ分かると思いますが、立地は大切じゃないと思います。遠くても、来たいお客さんは来てくれます。さらに、ここ(トゥードゥック区)なら、郊外で家賃が安いため、メニューの値段も安くおさえることができます。

――「チルタウン」という名付けの由来は何でしょうか。

「チル」は、みんなが話したり、お酒を飲んだり、音楽を聴きながらゆったり楽しむ、という意味です。お客さんにこのお店でそんな時間を過ごしてほしいと思い、名付けました。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

(チルタウンの中で私が最も気に入っているところが「チルタウン」というネーミングセンスなのですが、なんとオーナーはそのユニークさに気付いていなかったようです。「日本人にとっては独特の響きがあるんですよ!」と言ったのですが、ポカンとしたご様子でした……)

オーナーについて。そして、チルタウンの今後

――オーナーは「チルタウン」を始める前は何をしていらっしゃいましたか。

ホーチミン一区のバックパッカー街で、クラブやバーのマーケティング担当を4年ほどしていました。その前は、ゲームのライターをしていたこともあります。

――そうなんですか! ちなみに、「チルタウン」の街並みは、ゲームや映画などのフィクションの中の日本にもそっくりだと言われています。そういうものを意識していますか?

うーん? よく分かりませんね……。

――ちなみに、オーナーは好きな日本のマンガはありますか? 日本の映画を観たことがありますか?

NARUTOは好きですよ。日本のホラームービーを観たことがありますが、名前を忘れてしまいました。

――「チルタウン」の看板の中で、お気に入りはありますか。

ユニクロです。私はユニクロが大好きですから(ライター注:2020年にユニクロはホーチミンに上陸しました)。あと「TOYOTA」「MUJI」「MITSUBISHI」も。私は日本語が読めませんが、これらは分かりますから。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

(オーナーは日本オタクというわけでもなく、平均的な親日のベトナム人という印象でした。むしろ日本へ取材に行ったというもう一人のオーナーの方が日本オタクなのかもしれません)

――オーナーの将来の展望をお聞かせください。

そうですね、中国やハノイをモチーフにしたお店も作ってみたいです。それから、ダナン、ハノイにも「チルタウン」を作って、どの街に住んでいるベトナム人にも訪れてもらえるようにしたいです。

――最後に、この記事を読んでいる日本人のみなさんへメッセージをお願いします。

日本人の方から好意的な反響をいただいて、とてもびっくりしましたし、すごくうれしいです。このお店は元々ベトナム人をターゲットにしていましたが、このお店に来たベトナム人と日本人が、仲良くなったり、一緒にお酒を飲むようになってくれたら、とても嬉しいです。

まとめ

以上が「チルタウン」のオーナーのインタビューでした。

・「チルタウン」に日本人は携わっていない

・間違った日本語は、(おそらく)天然で生まれた奇跡

このあたりが意外で面白かったです。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

取材中、ミルクティーをごちそうになりました。「チルタウン」とカタカナが書かれたカップがとてもかわいいです(なんだかベトナムにある大手ミルクティーチェーン店のカップにも似てる気がします……)。正直、ミルクティー屋さんのものではないと思ってそんなに期待していなかったのですが、ミルクティーの味が濃くてとてもおいしく、びっくりしました。これで22,000ドン(約100円)……この3倍ぐらいとってもいいんじゃないかと思いました。

オーナーいわく、今後は内装をどんどん変えていきたいとのこと。オープン当初は天井にぶら下がる提灯は無かったし、七夕飾りも後から付け加えられたそうです。今後は桜や魚の飾り付けもやってみたいとおっしゃっていました。

【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー【インタビュー】謎の日本風居酒屋「チルタウン」のオーナーに特別インタビュー

既に二度チルタウンを訪れた私はすっかりファンになってしまいました。また内装が変わった頃に行ってみたいと思っています。

オーナーいわく、一番賑わう時間は午後9時ごろで、週末は大変な混雑となるそうです。まだ「チルタウン」を訪れていないホーチミン在住日本人のみなさん、日本で話題のチルタウンに、ぜひ行ってみてください!

チルタウン(Chill Town)

住所:07A To Vinh Dien, Linh Chieu, Thu Duc

電話番号:07.05.33.07.07

営業時間:ミルクティー販売は朝8~17時、居酒屋営業は17~翌2時

関連情報はこちら

【週末特集】ホーチミンに歌舞伎町が登場?! 話題の居酒屋「チルタウン」へ行ってみた

【週末特集】ホーチミンに歌舞伎町が登場?! 話題の居酒屋「チルタウン」へ行ってみた

「チルタウン(Chill Town)」って? みなさん、ホーチミンの若者に今話題の「チルタウン」をご存知でしょうか。...

【週末特集】レタントン通りの日本人町を散策

【週末特集】レタントン通りの日本人町を散策

レタントン通りはトンドゥックタン通りを初めとして、ベンタイン市場の裏を横切った先まで続いている長い道です。その一...

ホーチミンのイオンモールに行ってみた

ホーチミンのイオンモールに行ってみた

ホーチミンに、イオンモール?? はい、あるんです。在住日本人にとっては、ここに行けば大抵のものは見つかるため、救世主的な存...

日本語でOK!
かんたんウェブ予約はこちらから

テーブルを予約する

渋澤怜が最近書いた記事

おすすめのレストラン

おすすめの記事