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——日本にはすでに美味しいチョコレートがたくさんあるのに、 ベトナムが勝てる部分ってどこなんでしょうか?洗練された有名ブランド。 百貨店に並ぶ高級ショコラ。 コンビニでも美味しく有名なチョコが買える日本。そんな状況をふまえて、あえて核心に触れたのです。その瞬間、遠藤さんの表情はキリッと変わり、 どこか嬉しそうに、静かに熱が宿りました。「違いは“土地の味”なんです。 ベトナムのカカオは、奥深い表情を持っています。」
シングルオリジンとは、“土地そのものを食べる”ということ
同じ国でも、産地が違えば風味はまったく別物。それはワインのテロワールとよく似ています。そしてBINON CACAO が扱うのは ベトナム東南部のカカオのシングルオリジン。
ここで育つカカオ豆の個性こそ、BINON CACAOの味の核になっています。
- 東南部のカカオ(バリアブンタウとドンナイ)
- 赤い果実のような華やかさ
- 明るく立ち上がる酸味
- 余韻に残る黒糖のようなコクと自然な甘み
- 国際的なチョコレート品評会でも評価される品質
世界のチョコレートと比べてわかるBinon Cacaoの“強さ”
世界を見れば、フランス、ベルギー、スイス、南米諸国など、チョコレート大国は数えきれません。日本国内も同じ。レベルが高く、完成度の高いチョコをいつでも買える国です。では、その中で ベトナム産にしかない強み とは何か。結論はシンプル。 “シングルオリジンとしての個性が際立っている” 特にベトナム産カカオは世界の専門家からこう評価されています。
- 発酵が丁寧で、フルーティーな香りが出やすい
- 小規模農家が多く、ロットごとの個性が活きる
- 雨季・乾季・海風・標高差など、“土地の表情”が味へ反映される
つまりベトナムは、 「土地の違いがそのまま味になるチョコレート」 が作れる稀有な国なのです。
BINON CACAO が唯一無二である理由
——農園と工場の距離、そして“顔が見える関係” BINONのチョコレートは、ただ美味しいだけではありません。 その背景には、他ブランドには真似できない「距離」があります。
「自社で全工程を見ている稀有なブランド 」遠藤さんが語った一言が印象的でした。「収穫から発酵、乾燥、製造まで 全部を自社で見ているチョコレートメーカーって、本当に少ないんです。」日本のパティシエが扱うチョコは、 完成したチョコレートから作ることがほとんど。
カカオ豆の品質は発酵の過程がとても重要
味を決めるこの大事な工程を理想的に行うには、自身で発酵をコントロールすること、信頼できる周辺農家さんとの協業。BINON CACAO の工場はカカオ生産者(カカオ農園)から近く、 この距離がチョコレートのを守っています。
農家さんとは家族のような関係
収穫状況を日々共有 農家さんへの発酵設備の提供 キャッシュフロー面でのサポート BINON CACAOの忘年会等のイベントにも招待し交流を深める 農園にすぐ行ける距離だから、品質確認も迅速
カカオはとても繊細で、 知らないうちに農薬が撒かれたり、工程に影響することもあります。だからこそ、“すぐ会いに行ける距離で、顔が見える関係でいること” これが品質を守る最大の要なのです。
BINON CACAOは、
- カカオの実
- 発酵
- 乾燥
- ロースト
- 製造
すべての工程に責任を持つ、数少ないブランドなのです。
「土地の味が、そのままチョコになる。」
バリア・ブンタウ産カカオは、赤い果実のような香り、明るい酸味、黒糖を思わせる余韻が特徴。これらは大量生産では出せない、シングルオリジン特有の個性です。BINONは、農園と工場が近く、発酵・乾燥・焙煎まで自分たちで管理できる環境があります。生産者との距離が近く、土地の変化もすぐに反映できる。その“近さ”が味をつくっています。
遠藤さんはこう話します。「日本には美味しいチョコがたくさんある。でも、ベトナムには“この土地の味”があります。」
BINONのチョコレートは、ベトナムのカカオをそのまま伝えるための一枚。 それがブランドの中心にあります。
チョコレートの楽しみ方が変わるーBinon Cacao のおすすめ“ペアリング”
「どう食べるのが一番おいしいですか?」 そう聞くと、遠藤さんは「私、お酒が好きなんですよ。だからおすすめは……」
65%ダーク × 赤ワイン
定番のダークチョコレートは、タンニン強めの赤ワインと合わせると一気に“大人の味”に。 バリア・ブンタウ産らしいベリーのニュアンスが立ち、ワインの渋みがまろやかに感じられる不思議な組み合わせです。
ホワイトチョコ × 白ワイン
脱臭・脱色しない自然のカカオバターの本来の香りに、地元で作っているバニラを加えた本格的なホワイトチョコレート。酸味のある辛めの白ワインやカプチーノと合わせると、贅沢なデザートのような余韻に変わります。
コーヒー × 全シングルオリジン
どの産地とも合わせやすく、特にロースト強めのベトナムコーヒーとは最高の相性。 一緒に味わうと、まるで“香りの旅”をしているような気分に。 飲み物とのペアリングで広がる世界は、Binon の魅力をもっと深く感じる方法のひとつです。
今すぐ食べてほしい、Binon Cacao のおすすめ商品
「ひとつだけ選ぶなら?」 そう伺うと、遠藤さんが迷わず挙げてくれたのがこちらの2つ。
65%ダークチョコレート
BINON CACAOのチョコレートの特徴をよく表したフルーティーで華やか酸味があり、苦味が少なく食べやすい ベトナムのカカオの良さが最も分かる “初めての Binon” にまず手に取ってほしい一本です。
PETIチョコレート(マンゴー)
「ベトナムらしさ」を味で表現したシリーズで、旅行者にも大人気。ダークチョコレートにはマンゴーのようなコクと甘さのある酸味を感じる人もいます。そんなダークチョコレートとマンゴーの組み合わせは最高です。シングルオリジンとは別軸で、“食べた瞬間に笑顔になる味”。
まとめ
Binon Cacao のチョコレートは、 ただ甘いだけではありません。ベトナム東南部の土地と気候 スタッフ皆で作り上げた手仕事 カカオ生産者さんの生活 遠藤さんが積み重ねてきた「今日できること」の連続 そのすべてが重なりチョコレートができました。旅の途中で BINON CACAO を見つけたら、 その小さな一粒に込められた物語を、すこしだけ思い出してください。
遠藤亜矢子(BINON CACAO CEO)プロフィール
商社・旅行会社・人材コンサルティング会社を経て、 2016年に独立し、ベトナムで起業。 2019年、バリア・ブンタウに BINON CACAO JSC を共同創業。 カカオの発酵から製造まで全工程を監督する希少な“ファーム・トゥ・バー”モデルを確立。 ベトナム産カカオのポテンシャルを世界に伝えることを使命として活動している。
