私はベトナム人で、今年22歳になります。
生まれてから今までの時間の中で、私は自分の国がどのように発展し、どのように変化してきたのかを身近に感じてきました。その変化を日常の中で最も強く実感させてくれた存在の一つが、「テレビ」だったと思います。
では、十数年前のベトナムでは、人々はどのようにテレビを使っていたのでしょうか。そして現在、その使い方はどのように変わったのでしょうか。私自身の体験をもとに振り返ってみたいと思います。
約15年前
アンテナテレビの時代今から約15年前、私の家や近所の家のほとんどでは、背面が大きく、画面が少し丸みを帯びたテレビが使われていました。
長いアンテナを立てて電波を受信するタイプで、映像は今と比べると決してきれいとは言えませんでした。
アンテナで受信していたため、画面が乱れることも多く、そのたびに父や母が屋上に上がり、アンテナの向きを何度も調整していたことをよく覚えています。
その様子を見ながら、「早くちゃんと映らないかな」と待っていた当時の自分の気持ちが、今でもはっきり思い出されます。
この記事を書くにあたり調べてみて、当時使っていたテレビの正式名称が「CRTテレビ」だと初めて知りました。子どもの頃はただ「アンテナのテレビ」「古いテレビ」と呼んでいただけでした。
また、当時は家によって視聴環境に差がありました。
外国のアニメを観るためにはデジタルチューナーが必要で、私の家にはありませんでした。
一方、祖父母の家にはチューナーがあったため、私はよく祖父母の家でテレビを観ていました。
『名探偵コナン』や『ドラゴンボール』、『セーラームーン』など、自分の好きなアニメを観られる祖父母の家は、私にとって特別な場所でした。
CDとDVDが活躍していた頃
当時、今ではほとんど姿を消してしまったものの一つが、CD・DVDプレーヤーです。私の家にもありました。
両親は音楽を聴くためにCDを買い、私と弟は好きなアニメや映画のDVDをよくねだっていました。
一枚のディスクの中に何話分もの作品が入っていることが、子どもだった私にはとても不思議で、「すごいものだな」と感じていた記憶があります。
約5〜10年前
薄型テレビの普及それから数年が経ち、薄型テレビ(LEDテレビ)が次第に普及し始めました。
デジタルチューナーがなくても多くのチャンネルが視聴できるようになり、ベトナムのチャンネルだけでなく、海外のチャンネルも楽しめるようになりました。
そのおかげで、私はもう他の家に行かなくても、自分の家で好きなアニメを観られるようになり、とても嬉しかったことを覚えています。
ただし、今のテレビと比べると、当時の薄型テレビはまだ厚みがありました。
それでも、15年前のテレビと比べれば画面は大きく、格段に見やすくなっていました。
一方で、今振り返ると残念に思う点もあります。
Cartoon NetworkやDisney Channel、特に日本のアニメを多く放送していたHTV3などのチャンネルが、現在ではベトナムの地上波から姿を消してしまったことです。
そのため、今の子どもたちは主にYouTubeでアニメを観ており、私が子どもの頃に夢中になっていた作品を知らないことも多いように感じます。それを思うと、少し寂しい気持ちになります。
現在
便利になった一方で現在のテレビは、非常に多機能になりました。
テレビ番組を見るだけでなく、YouTubeや音楽アプリを利用することもできます。
特に大きく変わったと感じるのがカラオケです。
以前は専用のカラオケ機器と、曲番号が載った分厚い本が必要でした。
歌いたい曲を探し、番号を入力するという手間がありましたが、その不便さも含めて、当時の時間は今となっては大切な思い出です。
しかし今では、テレビにスピーカーを接続し、YouTubeで曲名を検索するだけで簡単に歌えます。
曲数も圧倒的に増え、機器もとてもシンプルになりました。
ただし、テレビの使用時間そのものは、昔より減ったと感じています。
私自身、ホーチミン市で一人暮らしを始めてから、部屋にテレビを置いていません。
ニュースや娯楽はスマートフォンで手軽に確認できるため、テレビの必要性をあまり感じなくなったのです。
実家で家族と一緒に暮らしていた頃は、両親がニュースや時事番組を見るためによくテレビをつけており、私も自然と一緒に観ていました。
しかし、生活環境が変わったことで、テレビとの距離も変わったのだと思います。
おわりに
テレビは、ベトナムの発展とともに、その役割や使われ方を大きく変えてきました。
私にとってテレビは、単なる家電ではなく、その時代の暮らしや家族との時間を思い出させてくれる存在です。
今はスマートフォンが生活の中心になっていますが、アンテナを調整しながらテレビを観ていたあの頃の記憶は、これからも大切にしていきたいと感じています。
