ベトナム人、特に女性の間で根強い人気を誇る趣味の一つに「ハンドメイド(手作り)」があります。ベトナムではどんな素材が好まれ、どのようなものが作られているのか、気になりませんか?今回は、ベトナムの日常に溢れるハンドメイドの魅力的な世界を一緒に覗いてみましょう。
1. 温もりあふれる「編み物(毛糸)」
最近、ベトナムの若者の間で編み物は日常的なレクリエーションとして定着しています。
SNSや動画サイトで初心者向けのチュートリアルが充実していること、そして何より材料費がとても安く済むことが人気の理由です。
特に今、ベトナムの若者の間でトレンドなのが「毛糸で編んだ花束」です。以前は大学の卒業式といえば、校門の前で売られている生花やプラスチック製の造花が定番でしたが、最近ではこの毛糸の花束がどこに行っても見られるほど大流行しています。
枯れることなく、その可愛らしい温もりが若者の心をつかんでいるようです。また、この趣味を活かしてちょっとした副収入を得ている人もたくさんいます。動物の形からお花まで、さらにぬいぐるみのように大きくて柔らかいものまで手編みで作れてしまうのは、編み物ならではの魅力ですね。
2. 永遠の美しさ「クレープペーパー(紙)」
「紙で作る花」といえば、ベトナムでは「クレープペーパー(皺紙)」が欠かせません。少しコツは必要ですが、プロの講習を受けると、本物の花と見間違えるほど精巧で美しい作品が作れるようになります。最大のメリットは、その美しさが「永遠」に続くことです。
実は私も大学のライフスキル講座で挑戦したことがあるのですが、これが意外と奥が深いんです。花の種類ごとにカットの仕方や貼り付けのテクニックが全く異なり、不器用な私にとってはかなりの苦戦を強いられました。でも、友人たちと一緒に試行錯誤しながら素晴らしい作品を完成させたことは、今ではとても良い思い出です。
3. 個性が光る「天然石とビーズ」
ベトナムでは、天然石を使ったブレスレットやネックレスも非常に人気があります。「幸運を呼び込みたい」「厄除けをしたい」という願いを込めて身につける人が多く、天然石ならではの唯一無二の輝きも魅力です。
ハンドメイド好きの人は、布紐にプラスチックのビーズを編み込んだり、透明なゴム紐に金属の留め具を合わせたりして、自分だけのアクセサリーを作っています。これらは若者のファッションアイテムとして需要が高く、ネットショップなどでもよく売れています。
私も最近、ブレスレットを一つ購入しました。価格は40,000ドン(日本円で約240円ほど)です。中央にあしらわれた天然石は、綺麗に丸く磨かれたものではなく、あえて削りすぎない「原石」のような風合いを残していますが、それがえも言われぬ可愛らしさで、手元を見るたびに癒されています。
4. 根気と愛情の結晶「クロスステッチ(刺しゅう)」
10年から15年ほど前、ベトナムの女性たちの間で爆発的に流行したのが「クロスステッチ(Tranh thêu chữ thập)」です。
私の母も一生懸命に刺しゅうをして、額装した立派な作品を家に飾っていたのをよく覚えています。当時は、親戚の家に遊びに行っても、10代の女の子がいれば必ずといっていいほど手作りのクロスステッチ作品が飾られていたものです。
ただ、このクロスステッチはハンドメイドの中でも「難易度」と「忍耐力」がトップクラスだと私は思います。ひとマスずつ正確に刺していく必要があり、少しでもずれるとすぐに目立ってしまいます。細い糸を積み重ねて一枚の大きな絵を完成させるには膨大な時間が必要で、途中で投げ出したくなることも珍しくありません。
私も「一度挑戦してみようかな」と考えたことがありますが、自分の性格を考えると途中で諦めて材料を無駄にしてしまいそうなので、今のところは静かに見守るのが正解かな、と感じています。
おわりに
手作りの温かみがあるアイテムは、贈る人も受け取る人も幸せな気持ちにしてくれます。ベトナムのハンドメイド文化は、伝統を大切にしながらも、現代の若者の感性を取り入れて進化し続けています。
皆さんもベトナムを訪れた際は、マーケットや小さなお店で、ぜひ心のこもった一点もののハンドメイド製品を探してみてください。きっと、旅の素敵な思い出になるはずです。
