乾季の入り口を迎えた12月のホーチミンは、夜空が一年で最も澄みわたる季節です。湿気が少なく、雲も減り、観測に絶好のコンディションが整います。星空を眺めるのにぴったりなこの季節に、ぜひ外に出て夜風を感じながら空を見上げてみませんか?今月の目玉は、今年最後の満月と、年間最大級の流れ星が降りそそぐふたご座流星群です。
12月5日(金)――今年最後の満月「コールドムーン」
12月の満月は、アメリカ先住民の呼び名で「コールドムーン(寒月)」と呼ばれます。ホーチミンでは気温こそ下がらないものの、乾いた夜風と静かな空気が満月の光をいっそう美しく見せてくれます。今回の満月は2025年最後の満月の見納め。日の入り後から夜遅くまで大きく輝く姿を楽しめます。
ホーチミンでのこの日の月は、東北東から昇って、北の空を通りますよ。双眼鏡や望遠鏡をお持ちの方は、ぜひのぞいてみてください。月面のクレーターや山脈が驚くほどはっきりと見え、まるで月面旅行をしているような気分になります。
12月5日、今年最後の満月の夜、Saigon Astro CLUBでは、口径20cmの大きな望遠鏡を使って満月のクレーターを見るスターパーティを行います。詳細はこちらから
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12月14日頃 ― ふたご座流星群が極大
12月の最大の天文イベントといえば、毎年安定した数の流れ星が見られるふたご座流星群です。三大流星群のひとつで、観測条件次第では1時間に40〜60個の流れ星が期待できます。最も多く流れ星が見られる極大時刻は12月14日15時頃(ベトナム時間)。昼間ですので、見ごろは、14日夜から15日未明にかけてとなります。
未明の時間帯には下弦を過ぎた半月よりやや細い月が昇ってきますが、月明かりの影響はそれほどでもなく、好条件で観察できそうです。放射点はふたご座のカストル付近ですが、流星は空のどこにでも流れます。放射点付近だけでなくどちらの方向にも現れますので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。
ホーチミンでは深夜0時ごろから明け方にかけてがベスト。街明かりの少ない場所へ行くと、さらに多くの流れ星を見ることができます。条件のよい場所での観測だと、放射点が高くなる15日0時から15日2時頃にかけては、1時間あたり50個程度と多くの流星が見えることが期待されます。
流星が尾を引いてすっと消える瞬間は、何度見ても胸が高鳴ります。極大夜の前日にあたる12月13日夜から14日明け方にかけても、かなり多くの流星が見えることが予想されますので、前後1週間くらいは、晴れたら夜空を眺めてみましょう。寒さ知らずのホーチミン、ふたご座流星群を楽しみましょう。
12月の見どころ星座
乾季のホーチミンでは、星座もとても見やすくなります。東の空には「冬のダイヤモンド」が勢ぞろい。オリオン座、こいぬ座、おおいぬ座、おうし座、ふたご座など、日本で見慣れた冬の星座をホーチミンでも楽しめます。特にオリリオン座のベテルギウス(赤い星)とリゲル(青白い星)は色の対比が美しく、星の色の違いを観察するのに最適です。
12月のホーチミン天気ガイド
12月のホーチミンは本格的な乾季に入り、降水量は月間25〜30mmと非常に少なくほぼ晴天が続きます。平均気温は日中30〜31℃、早朝や夜間は22〜23℃で過ごしやすい気候です。湿度も雨季より下がり、空気が乾いて視界がクリアになるため屋外観光や星空観察に最適です。風も穏やかで、メコン川クルーズやナイトマーケットなどの外出がしやすくなります。夜は少し涼しくなるため、薄手の羽織りがあると安心です。
12月のホーチミンは日中30℃前後と暑いため、半袖やワンピースなどの軽装で十分です。ただし屋内は冷房が強めに効いている場所が多いため、薄手のカーディガンや羽織りがあると安心です。夜や早朝は気温が下がり、バイク移動では肌寒く感じることもあります。乾季特有の強い日差しに備え、帽子・サングラス・日焼け止めは必須です。湿度が下がって喉が乾燥しやすいので、こまめな水分補給も心がけましょう。
もっと星空を楽しみたい方へ
ホーチミンでは、Saigon Astro Clubによるスターパーティ(望遠鏡を使った観望会)や、子どもから大人まで楽しめるプラネタリウムイベントも開催しています。星空の最新情報やイベントのお知らせは、以下のInstagramでチェックできます。

