ベトナムの外資系バーガーチェーン店5社を比較（前半編）

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2023年5月15日更新

美味しいローカル料理が沢山あるベトナムで次々と進出を果たす外資系ファストフードチェーン店。ベトナム人の生活に受け入れられるよう、各社さまざまな努力をしています。今回は外資系バーガーチェーン店の5社を比較してみました。

※各社のベトナム国内店舗数は2016年現在、商品情報は2017年6月～7月時点のものです。

ロッテリア

ベトナムでは外資系バーガーチェーン店で最もメジャーなのがロッテリアで、店舗数は180以上。日本のロッテリアとは全く別会社の韓国ロッテリア社がベトナム進出当初は直営、現在はすべてフランチャイズで営業しています。ここまで店舗数を拡大し、ベトナム人に受け入れられるためには商品設計や広告の打ち方、キャンペーン手法など様々な「現地化」の工夫があったようです。

例えば商品設計の点で言えば、日本との最大の違いはフライドチキンのメニューが沢山あること。ベトナム人はチキン料理が大好きで、ベトナム人に受け入れられるためにチキンのメニューを充実させたそう。ロッテリアは本記事の5店舗の中で最もチキンのメニュー数が多く、ベトナム人の好きなチリソース味やスパイシー系、骨なしチキンなど様々な商品があります。

ご飯系のメニューがあるのも大きな特徴です。フォーやブンなどの麺類、バインミーのようなパン系の有名な料理があるベトナムですが、彼らの主食はあくまでもご飯。そうなると日本もご飯が主食なのにも関わらずバーガーチェーン店にはご飯系メニューはほぼ皆無である理由が気になる所ですが、確かに筆者がロッテリアの店舗を訪れた際も沢山ご飯系メニューのオーダーが入っていました。

筆者はてりやきバーガーと一番スタンダードなフライドチキンを食べたのですが、てりやきソースは日本といたって同じ味。フライドチキンは衣の味はそこまで強くなく食感の軽さやさくさく感を重視しているように感じました。

ケンタッキーフライドチキン(KFC)

店舗数でロッテリアを追従しているのがKFCで、国内に120店舗ほどです。バーガーの種類もチキンの商品数も実はさほど多くない一方サイドメニューが多いという商品構成は日本のKFCとさほど変わりません。ロッテリアや後述のジョリビーには甘辛いチリソースに漬けたフライドチキンが売られているのですがKFCにはそれがないのも特徴と言えそうです。さすがは元来からのフライドチキン屋さん、オリジナルチキンで勝負する姿勢が素敵です。一方でロッテリアと同じくご飯系メニューがあります。

また、KFCのランチセットは安いものだと35,000ドン(約175円)で買うことができるのですが、なぜか単品のチキン1個は34,000ドン(約170円)です。ベトナムではファストフードの価格競争が激しいのですが、ランチメニューの価格を頑張った結果このような不思議な値段構成になってしまっているのではないかと勝手ながら推測すると、ベトナムのファストフード店もきっと大変なんだろうなと感じてしまいます…。