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ベトナムでは地域によって気候が異なりますが、ホーチミンを含むベトナム南部では現在、乾季の時期にあたります。雨がほとんど降らないこの季節は、大気中の汚染物質が滞留しやすく、大気汚染が悪化しやすい傾向があります。
特にホーチミン市や北部のハノイなどの大都市では、車やバイクの排気ガスの影響により、大気汚染が深刻な状態になることが少なくありません。
中でもハノイは、世界的に見ても大気汚染レベルが高い都市として知られています。
大気汚染が体に与える影響とは
大気汚染は、さまざまな体の不調を引き起こします。
よく見られる症状
- 咳、痰、鼻水などの呼吸器症状
- 目のかゆみ、痛み、充血
- 皮膚のかゆみや赤み、皮膚炎などの皮膚症状
空気中の比較的大きな粒子は気管や気管支まで到達し、PM2.5のような非常に小さな粒子は、肺の奥(肺胞)まで入り込みます。
長期的な健康リスクにも注意
これらの粒子は、気道や肺に炎症を起こすだけでなく、体内に取り込まれることで血管にも炎症を引き起こすことが分かっています。
その結果、
- 喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の悪化
- 肺がんのリスク上昇
- 心筋梗塞などの急性心血管イベントの発生リスク増加
といった、深刻な健康リスクにつながる可能性があります。
特に、成長過程にあるお子さんへの悪影響は注意が必要です。
大気汚染はアプリで確認できる
現在の大気汚染の状態は、AQI(大気質指数)として数値化されており、「IQAir AirVisual |大気質」などのアプリを使えば、今いる場所の空気の状態を簡単に確認できます。
観光や出張でホーチミンを訪れる方の中には、ハノイをあわせて訪れるケースも多く、地域による気候や空気環境の違いを理解しておくことが重要です。
外出前やお子さんを連れて出かける前には、AQI(大気質指数)をアプリで確認し、体調に異変を感じた場合は無理をせず、早めに対策を取るようにしましょう。
今日からできる大気汚染対策
大気汚染を完全に避けることは難しいですが、日常生活や旅行中でもできる対策はあります。
外出時の対策
- 長時間の屋外歩行は避ける
- 移動はバイクよりも車を選ぶ
- 外出時はマスクを着用する
- 長袖を着用し、肌の露出を少なくする
帰宅後・室内での対策
- 帰宅時はうがい・手洗いを徹底する
- 髪の毛や皮膚の露出部位をシャワーで洗い流す
- 換気は必要最低限に抑える
- 空気清浄機を活用する
小さな積み重ねが、体への負担を大きく減らします。
症状がある場合は早めに医療機関へ
咳や痰などの呼吸器症状、発熱などがある場合は、我慢せず早めに医療機関を受診することが大切です。また、大気汚染による咳や目の不調、皮膚トラブルは、「そのうち治るだろう」と放置してしまいがちです。しかし、症状が長引いたり悪化したりする前に、早めに医師へ相談することが大切です。
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