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ホーチミンを旅行する日本人観光客にとって、定番の観光地といえば統一会堂やサイゴン大教会、ベンタイン市場などが真っ先に思い浮かぶでしょう。けれど、10年以上ホーチミンに暮らしている私が「ディープなホーチミンを感じる第一歩」としておすすめしたいのが、郊外にある巨大テーマパーク「スイティエン公園」です。
初めて訪れたのがいつだったかは定かではありませんが、長男が4歳になったときに家族で訪れた日のことはよく覚えています。以来、子どもを連れて何度も足を運んでいますが、不思議なことに「今日は全部回れた!」と感じたことは一度もありません。それほど広大で、魅力が詰まった公園なのです。
毎度テンション爆上がりのプール
我が家の子どもたちが毎回楽しみにしているのは、広大なプールエリア。ウォータースライダーや波のプールなど、大人も子どもも夢中になれるアトラクションが揃っています。気づけば半日をプールで過ごしてしまい、他のエリアを回る時間が足りなくなるのも毎度のこと。それでも「次はもっと遊びたい!」と子どもが言う姿を見ると、親としても連れてきてよかったと感じます。
休憩時間には売店で買ったミニパンケーキを頬張りながら一息。そんな何気ない時間も、子どもたちにとって大切な思い出になっています。
定番のワニ釣りとハリー〇〇ッター?なお化け屋敷
スイティエン公園といえば有名なのが「ワニ釣り」です。観光客も驚くアトラクションで、生きたワニに餌を差し出すスリルはここならでは。子どもにとっても大人にとっても忘れられない体験になります。
一方で、ハリー〇〇ッターみたいに見えてしまうお化け屋敷は長男が挑戦したところ、怖さに耐えきれず途中で出てきてしまったこともありました。スイティエン公園は「楽しい!」だけでなく、こうしたハプニングも含めて思い出に残る場所です。
園内を彩る奇妙な像たち
スイティエン公園を訪れた旅行者がまず驚くのは、園内のあちこちにある奇妙な像やオブジェでしょう。仏教や伝説をモチーフにした巨大な仏像や、ユーモラスで少し不思議な彫像が点在しています。日本のテーマパークでは決して見られない独特の雰囲気が漂い、これこそが「ディープなベトナムを体感できる場所」と感じさせてくれます。
ゆるく流れる時間がスイティエン公園
スイティエン公園のもう一つの特徴は、閉園時間の早さです。朝8時に開園し、夕方5時には閉まってしまいます。日本の遊園地と比べるとずいぶん短い印象を受けますが、それもまたベトナムらしい一面です。
特に印象的なのは、閉園前の光景。まだ太陽が高い時間帯に、園内の奥から売店や飲食店が次々に閉店作業を始める様子を見たとき、「これぞベトナム」と感じました。時間に対して大らかでざっくりした感覚が、逆に面白く、旅の思い出を特別なものにしてくれます。
スイティエン公園に行くなら
これからスイティエン公園を訪れる日本人旅行者にアドバイスするなら、まず「朝早く行くこと」。開園時間に合わせて入園すれば、閉園までしっかり楽しむことができます。また、園内はとても広く、真夏の暑さも相まって歩き回るのは大変です。園内を走る電動バスを積極的に利用することで、無理なく効率的に回れるのでおすすめです。
もう一つ大切なのは「期待値の持ち方」です。日本のテーマパークのように整備され、効率的に楽しめる場所を想像するとギャップに驚くかもしれません。しかし、奇妙な像や少しユルい運営、そして予想外の体験こそがスイティエン公園の魅力なのです。ディープなホーチミンを感じたい人にとって、ここはまさに理想的な場所と言えるでしょう。
何故かリピートしてしまう不思議な場所
スイティエン公園は、家族との思い出が詰まった特別な場所です。そして同時に、「なぜかリピートしてしまう不思議な場所」でもあります。全部回りきれない広さ、子どもが大好きなプール、ユニークすぎるアトラクションや像の数々…。一度行っただけでは消化しきれず、また行きたくなってしまうのです。
観光名所を一通り巡ったあと、「もっとディープなベトナムを体験したい」と思う方には、ぜひ訪れてほしい場所。それがスイティエン公園です。
ベトナムのゆるさを全力で味わう、スイティエン公園
スイティエン公園は、日本の遊園地のような完成度や洗練さを期待して行く場所ではありません。むしろ、その少し奇妙でユルい雰囲気こそが最大の魅力。ホーチミンでの旅をより特別なものにしてくれるでしょう。
予定外の驚きやハプニングを楽しめる方にとって、スイティエン公園は「ディープなベトナムの入り口」です。あなたもぜひ、その不思議な世界を体験してみてください。