ベトナム気象水文局の発表によると、11月25日夜、熱帯低気圧が台風へと発達し、26日未明には正式に“台風15号(Bão số 15)”と認定されました。台風はそのまま進路を保ちながら南シナ海(Biển Đông)へ進入し、現在も勢力を強めつつ移動しています。
<写真:政府情報>
■ 26日午前7時時点の台風位置と勢力
26日(火)07:00の観測では、台風15号の中心は北緯12.3度、東経118.3度付近に位置し、チュオンサ群島(Trường Sa)のソンツイタイ島(Song Tử Tây)から東へ約440kmの海上にあります。
中心付近の最大風速は62〜74km/h(日本基準の「強風域:台風8級」相当)で、瞬間最大風速はレベル10(約90km/h前後)まで達する可能性があります。台風本体の雲域は広がっており、周辺海域では高波や突風が発生しやすい状況です。
■ 進路:北西へ時速25kmで移動
台風は北西方向へ時速約25kmのスピードで移動中です。この速度は比較的早く、今後1〜2日で更に西側の海域へ近づくとみられています。
現時点ではベトナム本土への直接的な影響は限定的とされていますが、進路の変化に伴い、南部沿岸や中部の一部地域で風の強まり、急な強雨、シーレベル上昇、沿岸部の高波が発生する可能性があると警戒が呼びかけられています。
■ 海上の船舶・漁業に対する警告
気象当局は、南シナ海の広い範囲で波高の上昇(2〜4m)が予想され、特に台風中心近くでは5m以上の高波となる可能性もあるとして、漁船や商船は十分な注意を払うよう呼びかけています。
・小型漁船は沖合への出航を控えること
・現在操業中の船舶は安全な港への避難を検討すること
・航路の変更や速度調整を行い、強風域へ近づかないこと
■ 今後の見通しと注意点
台風15号は今後、勢力を維持しつつ北西へ進む予測が出ており、中部〜南部沿岸にかけて局地的なスコールや、強風を伴うにわか雨が発生しやすい状況になります。
旅行者にとっては、離島への移動、クルーズ、釣り船、ダイビングなど海上アクティビティに影響が出る可能性があります。特にフーコック島、ニャチャン、ムイネーなど海辺の観光地では、状況によってはツアーが制限される場合があります。
また、都市部でも台風本体の影響ではなく周辺の雨雲によって、短時間の大雨・冠水が発生することがあるため注意が必要です。
■ まとめ
・台風15号は11月25日夜に発生、26日朝には南シナ海へ進入
・中心付近の最大風速は約62〜74km/h、突風はレベル10
・現在は北西に時速25kmで移動中
・海上では高波が継続、漁船・船舶は警戒が必要
・沿岸部や観光地でも今後の進路次第で影響が出る可能性あり
