ベトナムの多様な宗教

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2023年5月16日更新

東南アジアに位置するベトナムは、他のアジア諸国と同様、仏教徒が最も多く、人口の8割を占めています。残りの2割がキリスト教、ヒンドゥー教、そのほかの宗教となります。しかし、ベトナムには町の各地にカトリック教会があるように、仏教徒以外の宗教を見る機会も非常に多いです。今回はベトナムの多様な宗教をご紹介したいと思います。

ベトナムは、東南アジアで唯一の大乗仏教

ベトナムの仏教は大乗仏教で、実は日本と同じ。東南アジアの仏教観といえば、厳しい戒律があるイメージですね。それもそのはず。ベトナム以外の東南アジア諸国はみんな上座部仏教だからです。ちなみに、ベトナムや日本の大乗仏教は、簡単に言えばおおらか。一方、上座部仏教は「仏教徒以外は全員死んだら地獄行きだ」といった厳しいもの。ゆえに、「心が狭い」という意味で「小座部仏教」と呼ばれていたこともありますが、こちらは貶称なので使わないように。
とはいうものの、日本人よりかは熱心な仏教徒が多い様子。ご年配の方は五戒を守り、毎月殺生を守る日には精進料理を食べます。さらに寺院への参拝、僧侶への寄付も怠りません(先日、ベトナムの生臭坊主が自身のフェイスブックにiPhoneを購入した画像をアップして問題になりました)。旅行の際は、是非ベトナムの仏教寺院に足を運んでみてください。

中国由来の寺院の特徴

ベトナムは長らく中国の支配を受けていましたので、中華系の寺院もいたるところにあります。特に中部ホイアン、ホーチミンのチョロンには多くの華人が住んでいるので、中国系仏教寺院や集会所が随所にあります。

中国系寺院の特徴は、華やかな装飾に、天井に吊るされた螺旋線香。ベトナムは福建省由来の寺院がほとんどなので、天后や西遊記の掛け軸や仏像が安置されています。さらに、道教と儒教が混在しているのもベトナム仏教の特徴です。

キリスト教も普及している

ミサの時間になると、鐘の音につられて多くのカトリック教徒が教会に足を運びます。牧師による教えを享受し、聖歌を合唱します。定刻にはいつも教会前に人が溢れ返っています。キリスト教徒の若者は、仏教徒の若者よりも熱心に教会に通います。日曜礼拝は欠かさず足を運び、食事の前には胸元で十字を切り、十字架のネックレスを首にかけ、マリアの写真を財布に忍ばせます。

仏教寺院のすぐ近くに教会が建っている、といった仏教とキリスト教が調和した町並みも不思議な雰囲気が漂い興味深いです。

イスラム教のブルーモスクも注目

対してイスラム教は非常に少なく、ベトナム人の中にはほとんどいません。モスクはイスラム圏から移住してきた在住外国人のためのものです。都心部には一つか二つ大きなモスクがあり、ホーチミンでは観光スポットにもなっています。部外者にも寛容に接してくれます。

チャム族が信仰するヒンドゥー教

かつて中南部に一大勢力を築いたチャンパ王国。彼らはヒンドゥー教シヴァ派を信仰していました。現在ではその子孫と言われている少数民族のチャム族が、その遺産を受け継いでいます。中部ミーソン遺跡はチャンパ王国の聖域として、数多くの遺産が発掘されています。

また、チャム族の支族、またはクメール人も一部南部メコンデルタ地方に暮らしていて、彼らもまたヒンドゥー信仰です。

混合宗教、「カオダイ教」とは

カオダイ教とは、南部タイニン省に総本山を置くベトナム最大の新興宗教です。カオダイ教の特徴は、仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教などがミックスされたもの。釈迦やイエス、ムハンマドなどを神として崇めます。シンボルは一つ目の「天眼」。カオダイ教徒の正装は白いアオザイで、徳の高い僧侶はカラフルな袈裟となります。袈裟の色は出身宗教によって異なります。

新興宗教といっても、タイニン省の人口100万人のうち、7割がカオダイ教といわれているほか、メコンデルタ地方にまばらにカオダイ教徒は点在していますし、ホーチミン市内にも教徒は大勢います。よくカオダイ教の悪口は禁止されていますが、その理由は「知り合いや親戚の誰かしらカオダイ教だから」といったもの。カオダイ教の勢力がうかがえます。

カオダイ教総本山を見学するツアーも旅行客に人気があります。礼拝では教徒の合唱を聴くことができます。

ベトナムは多様な宗教観を持っていて、外国人旅行客は飽きることなく、彼らの思想に触れることができます。どこも神聖な場所なので、見学するときはマナーを守ってくださいね。

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